今回も,各チームの2023年シーズンを振り返ってみます。
今回は,阪神タイガースの前編です。
それでは,最後までよろしくお願い致します。
まずは全体的なところから見てみます。こちらの図表をご覧ください。
今季は85勝53敗5分と,2位と圧倒的な差をつけて優勝した阪神。岡田彰布監督が復帰し,1年で18年ぶりの栄冠を勝ち取ったのです。CSも突破し,日本Sは第7戦で見事に勝利したのです。1985年以来38年ぶり2度目の日本一にまで達したのです。平成で成し遂げられなかった日本一,令和で達成できたのです。
全体的なところ見てみますと,まずベイ以外のセ・リーグ相手に大きく貯金を作りました。特に巨人とヤクルト相手には2桁貯金となり,交流戦の借金はかすり傷にまでなったのです。ほとんどどこにもスキがないような圧勝だらけで,圧倒的な優勝になったのです。
ホームとビジターで見てみますと,セ・リーグで唯一どちらでも貯金になったのです。ホームではカープと巨人を中心に,どこを相手にも借金してないのです。圧勝しているチームを2つ作ったことを含めて,22という大きな貯金にまで達したのです。
ビジターでは巨人とヤクルト,東京で圧倒的に強かったのです。広島と横浜と交流戦で借金にはなったものの,東京たくさん作った貯金が功を奏したのです。
以上を踏まえますと,圧勝したところを2つ以上作ったということが大きいと思います。そのため,多少借金になるところが出たとしても,かすり傷で済んだということになるのです。得意な試合を決して取りこぼししなかったというのが,優勝する上で大きいという証明になったと思うのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
序盤は5割以上という好スタートを切り,5月は8割近くととんでもない圧勝を見せていたのです。6月は.350近くと急下降したものの,そこから巻き返して8月には7割を超える圧勝を再び見せたのです。その勢いは終盤まで下がらず,圧倒的な優勝に至ったのです。絶好調の時が長く続いたことで,下がった6月はかすり傷ということになったのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
投手陣は全体的に絶不調という期間が全くないのです。6月に3点より悪くなる成績ではあったものの,他球団に差をつけられたわけでもありません。そこから再び2点台に盛り返して,その勢いが下がることはなかったのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
打撃面でもこれといって不調という期間がほとんどないのです。6,7月で下がってきてはいるものの,各チームの最も悪い時と比べると数字が全然違うのです。8月に驚異的に盛り返すと,その勢いは最後まで衰えなかったのです。
この2つを合わせた図表がこちらです。
1点以上と圧倒的なプラスになる期間が長い上に,シーズン通してプラスを維持しています。どちらでも他球団に圧倒的な差をつけ,シーズン通してスキのない戦いができていたということになるのです。ここまでの数字が出てしまうと,「圧勝するのも当然か」と思ってしまうものです。
まとめますと,どの数字を見ても「圧勝して当然だよね」と思えてしまうのです。シーズン通してプラスを維持して,得意相手の取りこぼしをしない。どの部分を見ても,「優勝して当然だよね」と感じるものです。優勝する方法を見せられたようにも捉えられるのです。
まず岡田については,以下のリンクをクリックしてご覧ください。
今季から2004年から08年までの5年間監督をした岡田が復帰し,第2次政権が発足したのです。自身が成し遂げた05年以来の優勝を目指し,フロントも復帰を決めたのです。その結果,第1次政権以来の優勝を勝ち取り,その時にできなかった日本一にまでなったのです。1年で岡田は救世主になったのです。
第2次政権を実行するにあたって,岡田がやりそうなこととして「打順とポジションを断固として変えない」「新たな『JFK』の形成」「守りの野球がベース」と予想しました。課題としては,「第1次政権とオリックス監督を振り返ってのアップデート」を挙げていました。
やりそうなことについては,ほとんどその通りということになりました。適材適所に打順とポジションを配置し,余程のことがない限りは動かしませんでした。特に打順の要である1番近本,4番大山を故障時以外に動かさなかったのは,前政権ではなかったことです。
このようにすることで,選手は自分の役割が明確に把握できるようになったと思います。それによって,自分がやるべきことを実行しやすくなったのではないでしょうか?適材適所に選手を配置して動かさなかったことで,選手はどっしり構えて野球をやり続けることができたと思うのです。
また,投手を中心とする守りの野球も実行できていました。村上や大竹といった新たな選手が台頭,適材適所に守備を配置して固定したこと。こうしたことが功を奏して,岡田の考える野球がシーズン通してできたと思うのです。元々ある程度の土台は出来ていたので,岡田が最高の形で活かしてあげたと言っていいのではないでそうか?
あとは第1次政権やオリックス監督時代になかったことも実行していたと思います。わいわいまで行かずとも,選手と喜怒哀楽を共有するようになったように見えるのです。この変化は岡田の妻も感じていたとのことです。「今の選手にはそうした方がいい」と岡田が思って実行したのかもしれません。
この変化によって,選手は勢いがつきやすくなったのかもしれません。油断大敵というのは当然ですけど,あまりにも締めすぎると勢いある時に勝ちを稼げなくなる可能性もあるのです。あえて表現するのなら,岡田は評論家時代も踏まえて締め方と外し方がうまくなったと言えばいいでしょうか?
以上のように,岡田のやりたい野球はほとんど実行でき,また第1次政権よりもよくなったところもあると考えられるのです。岡田自身がアップデートしたということで,第1次政権で成し遂げられなかった日本一にまで達したと思うのです。
岡田の構想通りでないと思うのは,新たな「JFK」を固定できなかったところだと思います。湯浅が長期離脱したことで,当初の構想は崩れたのではないでしょうか?それでもうまく様々な選手を起用して,クローザー岩崎を活かせるようにはしたと思います。あくまでも岡田が固定に拘るのなら,来季はしっかりと7,8,9回のセットアッパーとクローザーを固定していくのかもしれません。
とはいえ,今季は岡田によって花が咲いたと言っていいと思います。ただし,これは金本知憲と矢野燿大という2人の監督による土台があってのことです。
金本が積極的に若い選手を起用したことで「種を蒔く」ことになりました。その経験値を次の矢野が活かして「水をやる」ことになったのです。その上で,岡田が適材適所に選手を起用することで「花を咲かせた」に至ったと思うのです。
前の政権を岡田が活かしたことで,2人の監督も報われたのかもしれません。2016年に金本が監督に就任してから,8年かけて優勝・日本一に至ったということになりますね。やはり監督1人だけの力量だけで優勝はできないということを,改めて様々な人が知るいい事例ではないでしょうか?
それでは投手面を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
昨季同様,防御率もWHIPもセ・リーグトップをキープしました。その上セーブ数を劇的に伸ばし,勝ちにつなげる体制を強化したのです。昨季もトップだったQSやHQSも数字を伸ばし,どこにもスキがないような投手陣になったと思うのです。
私なりに意外に思ったのは,完投がリーグトップということです。岡田は「JFK」などリリーフリレーで逃げ切ることが多いというイメージだけに,完投は少ないのではと思ったのです。昨季より数字は減ったものの,リーグトップは変わらなかったのです。完投できるところはしっかりさせることで,リリーフ陣とバランスよく起用できたのではないでしょうか?
それでは先発陣を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
今季は伊藤将司と村上がいずれも初めて規定投球回に達し,大竹と共に2桁勝利も記録しました。その上才木,西勇輝,青柳も勝利を8つずつ稼ぎ,6人で56勝を稼いだということになったのです。先発の軸がしっかり左右整って,プラスアルファも十分すぎるくらいにありました。
完投が多いことになったのは,完封が多かったからでもあります。完投した中でほとんどが完封を兼ねており,完封でない完投は4回です。完封という先発が絶好調の時がそれなりにあったことで,それを逃さないことでリリーフ陣が助かったということが言えそうです。
今季は西勇輝や青柳といった昨季の主力が揃って不調ということもあり,どうなるかと思っていました。そこにセ・リーグMVPの村上という救世主が現れ,現役ドラフトで獲得した大竹が大活躍しました。伊藤将司も初めて規定投球回に達し,こうしたことが合わさって先発の軸を確保できたのです。
また,伊藤将司も村上も規定投球回ギリギリであり,大竹も達してはいません。いずれも経験値が乏しいということもあり,無理に長いイニング投げさせることではなく,シーズン通しての安定感を重視した起用の結果だと思います。
アクシデントはあったものの,トータルで貯金を稼げる先発陣になったと思います。村上がMVPになったものの,誰か1人の力ではなく全員で勝てる先発陣という形態になったのです。メンツを見た上で,首脳陣がそのように作ることを決めたのかもしれません。
次にリリーフ陣を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
当初は湯浅をクローザーにする予定だったものの,序盤から故障で長期離脱を余儀なくされました。代わってクローザー経験のある岩崎を据えて,セーブ王になるまでになったのです。9回については,アクシデントを乗り越えたということになります。
7,8回については,誰かを固定して起用する「JFK」方式を採りませんでした。その時の調子などで選手起用することになったのです。これは「JFK」の時とは対照的な起用法なのです。そのため,誰か1人がものすごくホールドを稼いだ結果になってないのです。
そのため,ここに挙げた選手のほとんどが「登板数≧イニング数」という数字になっているのです。イニングの途中で交代させることもよくあり,これは第1次政権ではなかなかなかったのです。リリーフでも誰か1人の力ではなく,全員の力で乗り切ったということができるのです。
その結果,トータルで防御率のいいリリーフ陣になったのです。石井の台頭や島本の復活,桐敷の途中転向などが実ったということになります。若干左が多く集まった形になりましたけど,左キラーが集まるなどして功を奏したのかもしれません。
ただ来季において気になるのが,このスクランブル登板のひずみが出ないかということです。首脳陣が選手にある程度起用法を事前に言っていたとは思いますけど,選手はいつ出るか分からない中でスタンバイしていたのかもしれません。そのため,実際に登板せずとも肩を作っていた日もどれくらいあるのかと思うのです。
そこに向けての準備が疎かになっていれば,同じ起用をしても選手の疲労が一気にどこかで出るのかもしれません。選手のアフターケアを含めて,どう解決していくのでしょうか?もしかしたら,来季こそ「JFK」のように7,8回のセットアッパーを固定するのかもしれません。
以上を踏まえますと,今季は誰か1人を軸にするというよりは,全員の力で強力な投手陣を作ったと言えるのです。経験値の乏しい選手に対して,いくら素質があっても「お前が軸になれ」という起用法をしてないのです。あくまでも選手全員を底上げするような起用法をして,それでも勝てる投手陣にしたという感じなのです。
まあ,それも岩崎という確固たるクローザーが軸になっていたからかもしれません。そこまで離脱していれば,経験値の乏しい誰かにクローザーを託すしかなくなります。そうなりますと,岡田の考える逃げ切る野球ができてなかったのかもしれません。岩崎がMVPでもよかったように,私は思うのです。
次回は,阪神タイガースの中編です。
それでは,またよろしくお願い致します。
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皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。
今回は,阪神タイガースの前編です。
それでは,最後までよろしくお願い致します。
まずは全体的なところから見てみます。こちらの図表をご覧ください。
今季は85勝53敗5分と,2位と圧倒的な差をつけて優勝した阪神。岡田彰布監督が復帰し,1年で18年ぶりの栄冠を勝ち取ったのです。CSも突破し,日本Sは第7戦で見事に勝利したのです。1985年以来38年ぶり2度目の日本一にまで達したのです。平成で成し遂げられなかった日本一,令和で達成できたのです。
全体的なところ見てみますと,まずベイ以外のセ・リーグ相手に大きく貯金を作りました。特に巨人とヤクルト相手には2桁貯金となり,交流戦の借金はかすり傷にまでなったのです。ほとんどどこにもスキがないような圧勝だらけで,圧倒的な優勝になったのです。
ホームとビジターで見てみますと,セ・リーグで唯一どちらでも貯金になったのです。ホームではカープと巨人を中心に,どこを相手にも借金してないのです。圧勝しているチームを2つ作ったことを含めて,22という大きな貯金にまで達したのです。
ビジターでは巨人とヤクルト,東京で圧倒的に強かったのです。広島と横浜と交流戦で借金にはなったものの,東京たくさん作った貯金が功を奏したのです。
以上を踏まえますと,圧勝したところを2つ以上作ったということが大きいと思います。そのため,多少借金になるところが出たとしても,かすり傷で済んだということになるのです。得意な試合を決して取りこぼししなかったというのが,優勝する上で大きいという証明になったと思うのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
序盤は5割以上という好スタートを切り,5月は8割近くととんでもない圧勝を見せていたのです。6月は.350近くと急下降したものの,そこから巻き返して8月には7割を超える圧勝を再び見せたのです。その勢いは終盤まで下がらず,圧倒的な優勝に至ったのです。絶好調の時が長く続いたことで,下がった6月はかすり傷ということになったのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
投手陣は全体的に絶不調という期間が全くないのです。6月に3点より悪くなる成績ではあったものの,他球団に差をつけられたわけでもありません。そこから再び2点台に盛り返して,その勢いが下がることはなかったのです。
次に,こちらの図表をご覧ください。
打撃面でもこれといって不調という期間がほとんどないのです。6,7月で下がってきてはいるものの,各チームの最も悪い時と比べると数字が全然違うのです。8月に驚異的に盛り返すと,その勢いは最後まで衰えなかったのです。
この2つを合わせた図表がこちらです。
1点以上と圧倒的なプラスになる期間が長い上に,シーズン通してプラスを維持しています。どちらでも他球団に圧倒的な差をつけ,シーズン通してスキのない戦いができていたということになるのです。ここまでの数字が出てしまうと,「圧勝するのも当然か」と思ってしまうものです。
まとめますと,どの数字を見ても「圧勝して当然だよね」と思えてしまうのです。シーズン通してプラスを維持して,得意相手の取りこぼしをしない。どの部分を見ても,「優勝して当然だよね」と感じるものです。優勝する方法を見せられたようにも捉えられるのです。
まず岡田については,以下のリンクをクリックしてご覧ください。
今季から2004年から08年までの5年間監督をした岡田が復帰し,第2次政権が発足したのです。自身が成し遂げた05年以来の優勝を目指し,フロントも復帰を決めたのです。その結果,第1次政権以来の優勝を勝ち取り,その時にできなかった日本一にまでなったのです。1年で岡田は救世主になったのです。
第2次政権を実行するにあたって,岡田がやりそうなこととして「打順とポジションを断固として変えない」「新たな『JFK』の形成」「守りの野球がベース」と予想しました。課題としては,「第1次政権とオリックス監督を振り返ってのアップデート」を挙げていました。
やりそうなことについては,ほとんどその通りということになりました。適材適所に打順とポジションを配置し,余程のことがない限りは動かしませんでした。特に打順の要である1番近本,4番大山を故障時以外に動かさなかったのは,前政権ではなかったことです。
このようにすることで,選手は自分の役割が明確に把握できるようになったと思います。それによって,自分がやるべきことを実行しやすくなったのではないでしょうか?適材適所に選手を配置して動かさなかったことで,選手はどっしり構えて野球をやり続けることができたと思うのです。
また,投手を中心とする守りの野球も実行できていました。村上や大竹といった新たな選手が台頭,適材適所に守備を配置して固定したこと。こうしたことが功を奏して,岡田の考える野球がシーズン通してできたと思うのです。元々ある程度の土台は出来ていたので,岡田が最高の形で活かしてあげたと言っていいのではないでそうか?
あとは第1次政権やオリックス監督時代になかったことも実行していたと思います。わいわいまで行かずとも,選手と喜怒哀楽を共有するようになったように見えるのです。この変化は岡田の妻も感じていたとのことです。「今の選手にはそうした方がいい」と岡田が思って実行したのかもしれません。
この変化によって,選手は勢いがつきやすくなったのかもしれません。油断大敵というのは当然ですけど,あまりにも締めすぎると勢いある時に勝ちを稼げなくなる可能性もあるのです。あえて表現するのなら,岡田は評論家時代も踏まえて締め方と外し方がうまくなったと言えばいいでしょうか?
以上のように,岡田のやりたい野球はほとんど実行でき,また第1次政権よりもよくなったところもあると考えられるのです。岡田自身がアップデートしたということで,第1次政権で成し遂げられなかった日本一にまで達したと思うのです。
岡田の構想通りでないと思うのは,新たな「JFK」を固定できなかったところだと思います。湯浅が長期離脱したことで,当初の構想は崩れたのではないでしょうか?それでもうまく様々な選手を起用して,クローザー岩崎を活かせるようにはしたと思います。あくまでも岡田が固定に拘るのなら,来季はしっかりと7,8,9回のセットアッパーとクローザーを固定していくのかもしれません。
とはいえ,今季は岡田によって花が咲いたと言っていいと思います。ただし,これは金本知憲と矢野燿大という2人の監督による土台があってのことです。
金本が積極的に若い選手を起用したことで「種を蒔く」ことになりました。その経験値を次の矢野が活かして「水をやる」ことになったのです。その上で,岡田が適材適所に選手を起用することで「花を咲かせた」に至ったと思うのです。
前の政権を岡田が活かしたことで,2人の監督も報われたのかもしれません。2016年に金本が監督に就任してから,8年かけて優勝・日本一に至ったということになりますね。やはり監督1人だけの力量だけで優勝はできないということを,改めて様々な人が知るいい事例ではないでしょうか?
それでは投手面を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
昨季同様,防御率もWHIPもセ・リーグトップをキープしました。その上セーブ数を劇的に伸ばし,勝ちにつなげる体制を強化したのです。昨季もトップだったQSやHQSも数字を伸ばし,どこにもスキがないような投手陣になったと思うのです。
私なりに意外に思ったのは,完投がリーグトップということです。岡田は「JFK」などリリーフリレーで逃げ切ることが多いというイメージだけに,完投は少ないのではと思ったのです。昨季より数字は減ったものの,リーグトップは変わらなかったのです。完投できるところはしっかりさせることで,リリーフ陣とバランスよく起用できたのではないでしょうか?
それでは先発陣を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
今季は伊藤将司と村上がいずれも初めて規定投球回に達し,大竹と共に2桁勝利も記録しました。その上才木,西勇輝,青柳も勝利を8つずつ稼ぎ,6人で56勝を稼いだということになったのです。先発の軸がしっかり左右整って,プラスアルファも十分すぎるくらいにありました。
完投が多いことになったのは,完封が多かったからでもあります。完投した中でほとんどが完封を兼ねており,完封でない完投は4回です。完封という先発が絶好調の時がそれなりにあったことで,それを逃さないことでリリーフ陣が助かったということが言えそうです。
今季は西勇輝や青柳といった昨季の主力が揃って不調ということもあり,どうなるかと思っていました。そこにセ・リーグMVPの村上という救世主が現れ,現役ドラフトで獲得した大竹が大活躍しました。伊藤将司も初めて規定投球回に達し,こうしたことが合わさって先発の軸を確保できたのです。
また,伊藤将司も村上も規定投球回ギリギリであり,大竹も達してはいません。いずれも経験値が乏しいということもあり,無理に長いイニング投げさせることではなく,シーズン通しての安定感を重視した起用の結果だと思います。
アクシデントはあったものの,トータルで貯金を稼げる先発陣になったと思います。村上がMVPになったものの,誰か1人の力ではなく全員で勝てる先発陣という形態になったのです。メンツを見た上で,首脳陣がそのように作ることを決めたのかもしれません。
次にリリーフ陣を見てみます。こちらの図表をご覧ください。
当初は湯浅をクローザーにする予定だったものの,序盤から故障で長期離脱を余儀なくされました。代わってクローザー経験のある岩崎を据えて,セーブ王になるまでになったのです。9回については,アクシデントを乗り越えたということになります。
7,8回については,誰かを固定して起用する「JFK」方式を採りませんでした。その時の調子などで選手起用することになったのです。これは「JFK」の時とは対照的な起用法なのです。そのため,誰か1人がものすごくホールドを稼いだ結果になってないのです。
そのため,ここに挙げた選手のほとんどが「登板数≧イニング数」という数字になっているのです。イニングの途中で交代させることもよくあり,これは第1次政権ではなかなかなかったのです。リリーフでも誰か1人の力ではなく,全員の力で乗り切ったということができるのです。
その結果,トータルで防御率のいいリリーフ陣になったのです。石井の台頭や島本の復活,桐敷の途中転向などが実ったということになります。若干左が多く集まった形になりましたけど,左キラーが集まるなどして功を奏したのかもしれません。
ただ来季において気になるのが,このスクランブル登板のひずみが出ないかということです。首脳陣が選手にある程度起用法を事前に言っていたとは思いますけど,選手はいつ出るか分からない中でスタンバイしていたのかもしれません。そのため,実際に登板せずとも肩を作っていた日もどれくらいあるのかと思うのです。
そこに向けての準備が疎かになっていれば,同じ起用をしても選手の疲労が一気にどこかで出るのかもしれません。選手のアフターケアを含めて,どう解決していくのでしょうか?もしかしたら,来季こそ「JFK」のように7,8回のセットアッパーを固定するのかもしれません。
以上を踏まえますと,今季は誰か1人を軸にするというよりは,全員の力で強力な投手陣を作ったと言えるのです。経験値の乏しい選手に対して,いくら素質があっても「お前が軸になれ」という起用法をしてないのです。あくまでも選手全員を底上げするような起用法をして,それでも勝てる投手陣にしたという感じなのです。
まあ,それも岩崎という確固たるクローザーが軸になっていたからかもしれません。そこまで離脱していれば,経験値の乏しい誰かにクローザーを託すしかなくなります。そうなりますと,岡田の考える逃げ切る野球ができてなかったのかもしれません。岩崎がMVPでもよかったように,私は思うのです。
次回は,阪神タイガースの中編です。
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