求究道(ぐきゅうどう)のプロ野球講義

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若松勉

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監督学 稲葉篤紀編 続編

今回は,「監督学」シリーズを書いてみます。

今回は,2019プレミア12と2021東京五輪で侍ジャパンを優勝に導いた稲葉篤紀です。

それでは,最後までよろしくお願い致します。


稲葉については,以前も書いたことがあります。

こちらにリンクを貼っておきますので,是非ご覧ください。


こちらを書いたときは2019年2月のことです。

第2回プレミア12が開催される前ということになります。

プレミア12を含めて,2020年開催予定の東京五輪,21年開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の監督を務める予定でした。

この3つの大会で稲葉がどのように采配するのかを予想していたのです。


それから4年の時を経て,稲葉はプレミア12で優勝しました。

その後にコロナが襲い,東京五輪は21年,WBCは23年に延期されたのです。

稲葉は東京五輪まで監督を務めて,初めての金メダルに導いたのです。

それを持って侍ジャパンの監督を辞して,WBCは栗山英樹が率いることになったのです。


監督を退任した後,稲葉は著書を出しました。


こちらを読んでみて,もう一度稲葉監督を考えてみることにしたのです。


稲葉は2017年の「アジア プロ野球チャンピオンシップ」,19年のプレミア12,21年の東京五輪全てで優勝に導きました。

WBCこそ延期になって指揮をとれなかったものの,プレミア12と東京五輪で初めての優勝という大きな役割を果たしました。

特に五輪の金メダルは,長年誰も成し遂げられなかったことです。

そのため,多くの野球人やファンにとっての念願成就になったと思うのです。

それだけでも,もう稲葉に大きな拍手なのは間違いないですね。


ということで,侍ジャパンの監督として「負けない」という結果を出した稲葉。

「負けなかった」要因はどこにあるのでしょうか?

そこを中心に考えてみたいと思うのです。


それでは著書を読んだ上で,稲葉監督の采配などを考えてみます。

●アジアチャンピオンシップから東京五輪まで,段階を踏んだ育成と編成

 稲葉は監督就任当初,2021年開催予定のWBCまで務める予定で契約したと思います。この間にアジアチャンピオンシップ,プレミア12,東京五輪と大きな大会があります。稲葉はこの期間を活かして,五輪とWBCに照準を合わせて侍ジャパンを育成・編成したのではないでしょうか?
 コロナが襲ってきたことによって,結果的に21年の東京五輪まで監督を務めたことになりました。そのため稲葉は,東京五輪に向けて逆算した上で侍ジャパンを築いたということになるのです。
 まず,17年開催のアジアチャンピオンシップです。この大会は韓国,台湾と共に若い選手の育成を目的とした国際大会です。そのため参加資格は,24歳以下(第1回大会のみ1993年1月1日以降生まれ)または入団3年以内,オーバーエイジ枠(既定の年齢上限よりも年長の選手)が3名というものです。
 その時のメンバーはこちらです。
稲葉1

 若い選手の育成目的の大会というだけあり,山崎康晃以外は初の侍ジャパン選抜ということになります。中には「この選手って,そんなに活躍したのか?」と思うような代表もいるくらいです。若くて活躍している,将来有望な選手を集めたということになるのです。
 3か国しか参加してないということもあり,決勝を含めて3戦しか行われていません。そのため,目立って活躍した選手も,これといって見当たりません。それでも3戦全勝し,日本が第1回大会の優勝となったのです。
 ただし,アジアチャンピオンシップはあくまでも「若い選手育成」が目的の大会です。そのため,WBCや五輪と比べると「何が何でも勝つぞ」という気概は,少々薄かったように思います。私自身も,そこまで優勝に舞い上がった記憶もないのです。
 では,稲葉はこの大会をどのように位置づけたのでしょうか?この大会をどのように活かしたのでしょうか?
 まず稲葉は初戦に臨むにあたって,東京五輪の金メダル獲得のために目指す野球のスタイルを定めました。投手中心の守り勝つ野球。点を取らないと勝てないので,攻撃面では「スピード&パワー」を打ち出したのです。
 実際,このメンバーを見てみますと,長打力よりも走力に特化した選手が多いのです。選抜前に辞退を表明したものの,森友哉と吉田正尚も招集予定だったのかもしれません。そのため長打力を集めるところは思い通りではなかったのかもしれません。
 それでも,俊足選手を徹底的に集めて,山川穂高といった長打力が武器の選手という,稲葉の構想通りになったところもあると思うのです。この大会では山川,上林誠知,外崎修汰,西川龍馬がホームランを打ちました。そこに機動力と守備力を絡めて,稲葉の思う通りの野球ができたと私は思うのです。
 この大会を通じて稲葉は,「俺はこういう野球がやりたい」ということを選手たちにアピールしたと思います。そうすることで,国際大会に出たいならば何が必要なのかの手がかりを与えたと思うのです。このような伏線を張ったことで,後の大会で選手は迷いや疑問を極力少なくして試合に臨めたのではないでしょうか?
 また,この大会は初めて日の丸を背負う選手も多かったです。そのため稲葉はまず,「ジャパンというチームは常に勝っていかないといけない」と勝利への意識づけをしたのです。第1回や若い選手育成目的ということで,どうしても気概に欠けるムードがあったと思うのです。しかし稲葉は,この大会でできること,先々につなげることを意識して采配していたのです。
 大きく言えば,初めて侍ジャパンになった選手に「これが日の丸を背負うことだ」「これが国際大会だ」ということを経験を通じて伝えたということになります。また,「俺が監督の間は,こうやって国際大会を戦うぞ」というアピールもしました。いわば,東京五輪に向けての下ごしらえを,この大会で実行したということになりますね。
 翌年の2018年に日米野球が開催されました。こちらが代表メンバーです。

稲葉2

 日米野球は,WBCなどのような本格的な国際大会ではないです。そのため,多くの選手が初めての侍ジャパン入りとなったのです。前年のアジアチャンピオンシップから継続して選ばれた選手もいて,より多くの選手が日の丸を経験することになったのです。
 そこに,17年WBCで代表になった松井裕樹,山田哲人,田中広輔,菊池涼介,秋山翔吾を交えたのです。これによって,「日の丸を着けるとは」を共にプレーすることで教えることが出来たと思うのです。「背中で語る」という存在を,アジアチャンピオンシップよりも稲葉は重視したのかもしれないのです。
 これらを踏まえて,2019年に第2回プレミア12が開催されました。代表メンバーがこちらです。稲葉3

 色付けされている通り,多くの選手が初めて国際大会の本戦(プレミア12,五輪,WBC)で代表入りとなったのです。この大会で初の侍ジャパンもいますけど,アジアチャンピオンシップや日米野球の経験を経て代表入りした選手も多くいるのです。まさに,「経験を踏まえて」「国際大会を活かして」ということが出来ていると言えるのです。
 稲葉本人としては,『17年夏の監督就任以来,強化試合や日米野球で招集してきた若手,中堅,ベテランを含め,スピード,パワー,経験などバランスの良い「強いチーム」ができました』と著書で語っています。この「バランスの良い」というのは,このメンバーを見てみますと確かに言えるのです。
 哲人,源田壮亮,菊池,周東佑京といったスピード,哲人,浅村栄斗,正尚,鈴木誠也といったパワーと能力に適した選手。山本由伸や田口麗斗といった若手に,岸孝之や會澤翼といったベテラン。そうした選手に侍ジャパンの経験をさせたことを含めて,「バランス良く」というメンバーを組めたと思うのです。
 結果はスーパーラウンドでアメリカに敗れたものの,それ以外は勝って決勝進出しました。決勝で韓国を破り,優勝することが出来たのです。初めて国際大会本戦で優勝したこともあり,稲葉は涙を流しました。
 そして,いよいよ東京五輪の時が来ました。コロナが襲いかかったことで,1年延期となりました。そのため,稲葉にとってはこれが監督として最後の本戦となったのです。メンバーはこちらです。稲葉4

 色付けされているように,アジアチャンピオンシップから侍ジャパンを経験を積んだ選手が多いのです(緑色は除く)。そのため,ぶっつけ本番という感じが薄まったということは想像できます。
 経験を積み重ねただけでなく,稲葉が当初から構想として持っていた「スピード&パワー」に沿ったメンバーにもなっています。また,由伸や村上宗隆といった若い選手,坂本勇人や田中将大といったベテランというようにバランスよく選ぶこともできたのです。
 五輪では日本が全勝し,初めての金メダルを獲得できたのです。北京五輪でメダルなしという苦汁をなめた稲葉にとっても悲願でした。こうして稲葉の侍ジャパン監督は終わったのです。
 このように,稲葉は監督に就任してから五輪に向けたチーム育成と編成を行っていたのです。ひとつ一つの大会をただ勝ちにいくのではなく,その大会を次の大会に活かすということを欠かさなかったのです。稲葉なりに「この大会がある意義」を考え,それに沿った代表選びをしていたと考えられるのです。その結果,五輪で金メダルという最大の目標を達成できたのです。
 これまでの代表監督を見ても,ここまで段階的に代表選びしていた人もいなかったと思います。これはプロとしての国際大会が増えてきたというのもあります。かつては継続的に国際大会もあったわけでもなく,大会ごとに代表監督を選んでいました。23年現在は4年をベースに代表監督を務めるようになり,だからこそ稲葉のような段階的な代表編成もできるようになったと思うのです。
 こうした稲葉の段階的な育成と編成の恩恵を受けたといえば,4つ全てに出てくる康晃と甲斐拓也,日米野球以外の3つに出た近藤健介と源田壮亮だと思うのです。いずれも主力リリーフ,正捕手,ショート,打撃の中心選手とチームの柱になった選手です。稲葉は段階的に走・攻・守全てで柱になる選手を育てていたのです。
 もしかしたら,稲葉が今後の代表監督の指針を示したのかもしれません。五輪は次の開催が未定なだけに,最大の大会はWBCとなります。次回は2026年に開催予定ですけど,そこに向けた代表育成と編成をするのがいいと稲葉が示しているように見えるのです。
 若い選手を中心に侍ジャパンを経験させて,プレミア12という本戦に向けて準備する。そして,最大の目標への土台を作っていく。国際大会が現状の形である限りは,こうした組み立てが今後の代表監督に求められることだと思うのです。
 稲葉退任の後に栗山英樹が監督就任し,23年WBCが行われました。稲葉監督時代に侍ジャパンを経験した選手が主力となり,2009年以来の優勝をつかむことが出来たのです。まさに,稲葉が築き上げた土台を栗山によって活かすことが出来たということなのです。
 稲葉が段階的に侍ジャパンを作り上げたというのは,各年ごとにテーマを掲げたところからも挙げられます。18年は「学ぶ」として,日米野球後には五輪に向けたチーム構想がある程度でき上がってきたという手ごたえをつかんだのです。19年は「創」をテーマに,3月のメキシコとの強化試合も踏まえて,プレミア12でチームを「創って」いったのです。
 そして20年は「結」をテーマに,チームの結束力を高めて五輪に臨もうとしました。いい形で締めくくるという意味も込められています。ただコロナによって五輪が延期になり,21年に「束」をテーマにしたのです。
 プレミア12から五輪まで1年半ほど時間が空くので,「もう一度ジャパンとして結束しよう,チームを束ねよう」という考えから選んだのです。ちなみに,「国民の皆さんも含めて,みんなで結束力を持ってた戦いましょう」や「コロナ禍で尽力してくださっている医療従事者の皆さんへ,感謝の花束を贈りたい」という意味も込めていると語っています。
 以上のように,稲葉は「東京五輪という大きな大会に向けて」という意識を崩さなかったのです。それぞれの大会やそれぞれの年の位置づけを怠らず,それぞれの大会で優勝したのです。その場の大会を勝つだけでなく,次の大会につなげた育成と編成を行っていたのです。これが初の五輪優勝をつかんだことにつながったと思うのです。


●「いいメンバー」を集めるのではなく,「いいチーム」を作りたい

 「いいメンバーを集めるのではなく,いいチームを作りたい」
 これが稲葉が日本代表のチームを作る上で一貫して目指したことです。経験豊富なだけではなく,個人としての能力が優れているだけでもないです。
 肝心なのは,日本代表の勝利のために,自分に何ができるかを考えて,持っている力を存分に発揮できる。選手が結束して一つになるチームを作りたい。稲葉はそのように考えていたのです。そして,東京五輪では,そのような理想のチームで戦うことが出来たと語るのです。
 では,「いいチーム」を作るために稲葉が具体的に行動したことを紹介します。まず,できるだけ積極的に現場に行きます。海外を含めて,試合の視察回数は数えきれないとのことです。これには2つの狙いがあると語ります。
 1つは,選手をしっかり見て把握することです。現場で所属チームの監督,コーチから,さらに深いところでどういうタイプの選手かを聞きます。リリーフ投手の肩の作り方もその1つです。
 それを踏まえた上で選手と接すると,選手たちは「ちゃんと分かってくれてるんだ」と信頼感を抱くことになります。稲葉はそのように気をつけていたのです。
 もう1つは,選手にジャパンを意識してもらうことです。視察の時は個人名も出して「きょうは甲子園に森下を見に来ました」などと語ります。時には個人的に選手と連絡を取り,侍ジャパンへの思いを聞いたりもしたのです。
 実力だけでなく,ジャパンへの熱量も必要です。何故なら,代表チームではどんな状況にでも対応してもらわなければなりません。国際大会は,1つ負ければ次の対戦相手や日程や試合数も変わります。そのため,シーズンと違う起用法や打順を求められるだけでなく,試合に出られないこともあり得るのです。それを受け入れられるかは熱量によるのです。
 実際,稲葉が集めたメンバーは,ジャパンへの強い思いを持っていたとのことです。誰一人嫌な顔もせず,本来の役割ではなくても自分の仕事をしっかり果たしたのです。ジャパンへの熱量を稲葉が見ていたからこそ,「いいチーム」ができたのです。
 また,東京五輪代表を発表した直後に,稲葉は代表選手に直筆の手紙を出したのです。これは稲葉がかつて,2007年オフの北京五輪のアジア予選で代表に選ばれた時の経験から思いついたことです。星野仙一監督から同じく手紙をもらい,稲葉はその時の感激を覚えていました。稲葉も監督に就任した時から,星野と同じことをやろうと決めていたのです。
 その手紙の最後に,稲葉は「結束」の一言を書き添えました。東京五輪前の代表戦は19年のプレミア12で,その後コロナもあって活動が出来ずに,時間が空いてしまったのです。もう一度世界と戦うには皆が必要だ,一緒に戦おうという思いを込めたのです。
 このようにして,稲葉は「いいメンバー」を集めるのではなく,「いいチーム」を作っていたのです。最初からどのようなチームを作るのかを決めていたからこそ,一貫した行動を続けて,稲葉の思うチーム作りができたと思うのです。それが国際大会の勝利につながったのではないでしょうか?


●コミュニケーション能力の高い監督

 稲葉の関係者や稲葉に仕えたコーチや選手の証言を集めますと,稲葉監督の特徴としてコミュニケーションを挙げていることが多いのです。では,侍ジャパンを勝利に導いた,稲葉のコミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか?
 まず稲葉は監督に就任して,コーチを選ぶにあたって次のように考えました。
 "私は最初から「全く知らない者同士が一から関係を作るより,よく知っている者がコミュニケーションを深めて,より良い関係を築く方がいい。イエスマンではなく,自分の意見を持っていて言い合える仲良し軍団だったら,それでいい」と考えていたのである。どんな声があろうと,信じた仲間と一つの目標に向かっていこう,という決意は変わりませんでした。”
 稲葉はこれに基づいて,日ハム時代のチームメイトでもある建山義紀と金子誠,年齢の近い井端弘和と村田善則,日ハム時代にコーチを務めた清水雅治を選んだのです。この組閣には「お友達内閣」と言われることもあったと思いますけど,稲葉は自分の信念に基づくことからブレなかったのです。
 投手コーチを務めた建山は,稲葉について「私が今まで関わってきた中にはいないタイプの監督」と語っています。建山の選手時代を含めて,ここまでコーチの意見を聞いてくれる監督はいないとまで言うのです。
 稲葉は建山に対して,「こうしたいからこういうチーム編成にしたい」と指図するのではありません。「内野手は,外野手はどうする?」「投手はどうする?」というような感じで,コーチの意見をすごく聞いていたのです。それを聞いたうえで,受け入れると受け入れないの判断をきっちりするのです。もしも受け入れないと決めた時は,一言声をかけるのです。
 稲葉の下だと,コーチの手腕が問われると建山は語ります。案をしっかり考えなければと気合が入り,大変やりがいがあったのです。コーチを一つの駒として扱うのではなく,コーチも全員横並びで接してくれたと,建山は稲葉を捉えているのです。
 稲葉は4年間を通して,コーチ陣には「どんなことでも言ってきて」とずっと伝えていたのです。コーチとして,自分の担当の責任を持ってもらっていたのです。勝敗の責任は監督自身が全て取るものの,担当コーチに任せて,全員でいいものを作っていくという方針を決めていたのです。コーチ陣はそれを理解して,自分の仕事を務め上げたのです。
 建山の助言を受け入れた一例として,東京五輪での中川皓太と菅野智之の代替選手を選ぶ時を挙げることが出来ます。まず選抜メンバーの少なさから,ワンポイント要員は選びにくいのです。そこで1人ぐ投げ切れる投手として,当時ルーキーの伊藤大海を選んだのです。
 もう1人選んだのは,大会前に故障がちになっていた千賀滉大なのです。それを次の言葉で推したのが建山なのです。
 ”まだ五輪まで時間があるし,千賀は絶対に調子が上がってきます。その確信はあります。そしてギアも上がった時には,とんでもないピッチングをします。五輪時期にベストパフォーマンスになっている千賀を招集してないことの方が後悔します。今の状態からは,上がるしかないです。それまでの試合では打たれるかもしれませんが,気にしないでください”
 稲葉以上に様々な投手を4年間見続けてきた建山がここまで言うということで,稲葉は千賀を選ぶと心を決めたのです。明確な根拠を建山が用意したからこそ,稲葉は信じて受け入れることが出来たと思うのです。
 実際,伊藤と千賀は東京五輪で抑えるところを見せて,見事に優勝に貢献しました。建山の眼力と稲葉の信じる力は,間違ってなかったのです。稲葉がしっかりとコミュニケーションを取っていたからの結果が出たのです。
 稲葉のコミュニケーションはコーチに対してだけでなく,選手に対しても積極的に行っていたのです。どのように取っていたのか,プレミア12で代表に選ばれた(大会直前に故障で辞退)秋山翔吾の証言があります。秋山はその前の小久保裕紀監督の下でも侍ジャパンに選ばれており,稲葉とは代表コーチとの関係でもあったのです。
 稲葉は秋山に対して,「今のチームどう感じている?」や,「あの選手,馴染んでいけそう?」という質問をします。これは選手の立場からすると,監督に「大丈夫か?」と聞かれると「大丈夫です,頑張ります」と答えるものです。しかし,選手同士で会話をしていると,本音がポロリと出るものでもあるのです。
 監督に対して出ない選手の本音を,秋山は重要と思ったところを稲葉にしゃべっていたのです。稲葉にそのような意図があったのかは分かりませんけど,秋山は稲葉が「結束」や「和」をいつも重んじていることを読み取っていました。そのためにも,選手同士でコミュニケーションを取らないと,ジャパンにかける熱量も上がっていかないと秋山は感じていたのです。お互いに感じ合っていたからこそnコミュニケーションなのかもしれません。
 1992年のバルセロナ五輪で日本代表監督を務め,法政大学でも監督をしていた山中正竹も語ります。山中は稲葉を「コミュニケーション力に優れた監督」と語り,その特長として「共感力」と捉えているのです。選手と話をしていても,「ああ,そうだよな。俺もそう思うよ」「なるほど。もう少し聞かせて」などと言って,さらに話をするのです。それは自分の考えがないのではなく,相手の考えを自分の中に引き込み,うまく話を引き出していくのです。自分が話すだけではなく,相手の話を引き出すのが「共感力」だと私は思うのです。
 稲葉はコーチや選手とコミュニケーションを取ることで,内発的なモチベーションを高めているのです。「自分のことを理解してくれているな」「この監督と一緒にプレーしたいな」という気持ちにさせていたと,山中は評価しているのです。
 他にも,東京五輪ではベンチスタートとなった栗原陵矢,源田壮亮,近藤健介といった選手に対しては,特別に「君たちが大事なんだよ」ということは言いませんでした。それでも,打撃練習中に「調子どう?」と声をかけるようにしており,前日に試合出ていれば「昨日は緊張した?」とたわいのない会話をしていたのです。それに加えて,「明日の相手,救援陣がすごくいいよね」など,自分たちの出番をイメージできるような会話もするようにしていたのです。
 私が思うに,稲葉は言葉を選びつつも,飾るようなことを言わないでいたと思うのです。チームが一丸で戦うことをかねてから言っていたことで,ベンチ選手も自分の役割を自覚していたはずです。そう信じていたからこそ,特別な言葉ではなく「自然と言える必要な言葉」を選んだのではないかと思うのです。それによってベンチ選手も意気に感じて,金メダルに貢献するプレーを見せたのではないでしょうか?
 以上のように,稲葉はコミュニケーションの高い監督ということが出来,周りもそのように評価しているのです。稲葉の中で「結束」を重んじていたからこそ,自身の持ち味である「共感力」を活かしたコミュニケーションを取っていたと思うのです。まさにこれは,どのような場面でも使える「真のコミュニケーション」ではないかと捉えることが出来るのです。


以上,稲葉監督の特徴を考えてみました。


通常なら,最後に監督の課題や足りなかったところを書きます。

しかし,今回は挙げません。

何故なら,国際大会の監督は「勝ったら全てOK」と言っていいからです。

何年も監督を務めることがあり得るチーム監督に対して,国際大会の監督は就任期間が決まっています。

そのため,その期間だけ勝てばいいのです。

稲葉はアジアチャンピオンシップ,プレミア12,東京五輪と全ての大会で優勝しました。

なので,今後の課題も足りなかったところも挙げられないのです。

そこが,1チームの監督との違いのひとつでもありますね。


それでは締めに入ります。

稲葉は最大の目標である東京五輪を含めて,全ての大会で優勝することが出来ました。

その要因を考えてみますと,これからの侍ジャパンにも必要なものを残したと言えるのです。


1つは,大きな最終目標に向けた計画的な選手進出です。

稲葉は東京五輪という最終目標を見据えた上で,アジアチャンピオンシップとプレミア12の代表を選びました。

そうして段階を踏んだ上で,それぞれの大会を勝って,最終目標の東京五輪の金メダルを獲得できたのです。

これはアジアチャンピオンシップやプレミア12といった,国際大会が設立されたことを活かしたのです。

稲葉が監督の時,アジアチャンピオンシップは第1回,プレミア12は第2回と非常に歴史が浅いのです。

前任の小久保裕紀監督の時は,WBCの前に第1回プレミア12があったくらいです。

その前の山本浩二監督の時は,WBC以外に大きな大会はなかったのです。

大会の他にも日米野球などの他国との強化試合もあります。

それでも,実際に大きな大会で戦う方が,「代表で戦う」という心構えが違うと思うのです。

そのような経験を集約させて,最終目標の五輪やWBC優勝に活かしていく。

その道筋を稲葉が示したように思えるのです。


もう1つ稲葉が示したのは,それを含めた日本代表監督の戦い方です。

それまで野球日本代表は,大会ごとに監督を決めていました。

アテネ五輪が来たら長嶋茂雄が就任,第1回WBCが来たら王貞治,北京五輪が来たら星野仙一という具合にです。

そのため,どうしても計画は短期的なものに限定されてしまうのです。

選手は代表選抜から団結していくのに対して,首脳陣はその前から固まっていくはずです。

ただ,あまりにも期間が短いために,首脳陣が考えを共有する前に大会が来ることもあるのです。

それでうまくいかなかったケースもあるのではないでしょうか?

しかし,2011年から侍ジャパンが常設化させることで,計画的に代表監督を選ぶことが出来ました。

稲葉の場合は,2017年のアジアチャンピオンシップから,恐らく2021年開催予定のWBCまでを務める予定だったと思います。

4年間務めると長期的になったことで,コーチ陣と考えをシェアできる機会は変わったと思うのです。

段階的に選手を選んでいくということも,これによって可能となりました。

それを活かして,稲葉は全ての大会に勝つことが出来たのです。

まさに,これからの侍ジャパンの監督の務め方,戦い方を導いたのが稲葉ではないかと思うのです。


東京五輪で金メダルを獲ることは,様々な野球人の思いに応えたとも言えます。

五輪で金メダルを獲れなかった長嶋,星野をはじめ,野球代表監督たちのリベンジを果たしました。

また,その時戦った選手のリベンジにもなりました。

様々な野球人が,稲葉に対して称賛の言葉を送りました。

改めて日本代表監督が抱える思い,稲葉の偉業を感じるものです。


これからの代表監督は,稲葉を見て「代表監督とは」を考えていくのかもしれません。

稲葉を参考にして,WBCなど最大の目標に向かって戦っていくと思います。

稲葉が示した道筋,日本代表が勝ち続けるための道筋にもなるのでしょうか?

これから侍ジャパンの監督になる野球人の宿命となっていると思うのです。



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中西太,90歳で亡くなる

昨日,プロ野球界で訃報が出ました。

西鉄ライオンズでプレーして,「怪童」と言われた中西太が5月11日に亡くなっていたことが発表されました。

90歳でした。


中西は1933年4月11日に,香川県高松市で生まれます。

高松第一高校から,1952年に西鉄ライオンズに入団します。

1年目から一軍で111試合出場し,12本塁打など非凡な才能を見せます。

2年目には打率.314,36本塁打,86打点,36盗塁を記録します。

最多本塁打と打点王になり,史上最年少でトリプルスリーに輝くのです。

なお,高卒2年目で36本塁打は,2019年に村上宗隆が記録したのと同じです。

そこから4年連続を含む5度の本塁打王,3度の打点王,2度の首位打者に輝きます。

「流線形打線」と言われた西鉄打線の主砲として,活躍を続けます。

「青バット」で人々を魅了した大下弘と共に主砲となり,大下の次なるスター選手になったと思うのです。

稲尾和久や豊田泰光などと共に,西鉄黄金時代を築き上げるのです。


62年からは選手権監督となり,63年には最大14.5ゲーム差をひっくり返してのリーグ優勝に輝きます。

69年に現役引退と共に監督を辞任し,西鉄を退団するのです。

引退後はヤクルト,阪神,近鉄,巨人,ロッテ,オリックスと様々なチームでコーチを務めたのです。

日本ハムの初代監督,阪神の監督も務めました。

コーチとして若松勉や岩村明憲など,中西の指導で多くの名選手を生み出します。

また,中日で芽が出なかったラルフ・ブライアントも指導し,近鉄で本塁打王を獲れるまでになったのです。

西鉄時代の盟友である仰木彬とは,近鉄とオリックスで監督とヘッドコーチとしてタッグを組んだのです。

日本一の打撃コーチ」と言われるくらいの手腕を発揮したのです。


中西がブライアントを指導する上で,信条としていた言葉があります。

いいところを見出すのは一番難しい

短所は誰でも言える


長所を見て 磨いて 自信を持たせる


ブライアントは三振or本塁打の典型例です。

アッパースイングでガンガン振ることで,三振も非常に多かったのです。

それでも中西はブライアントの特長を見抜き,それを活かせるような指導をしたのです。

そのおかげで,ブライアントは近鉄で花開いたのです。

まさにこれは,現代だからこそ求められる指導者などの姿勢です。

短所は自分のことを含めて,素人でも言うことが出来ます。

しかし,その人の真の長所は,本当に見抜くのが難しいのです。

むしろ,それができる人こそ,これからの世の中で生きられる人ではないでしょうか?

命令的な指導が多かった昔で,中西の指導は何歩も先に進んでいたのかもしれないのです。

現在でも活かせるようなものを残した野球人だと思うのです。


中西の現役時代の背番号は「6」です。

現在でも,「6」はチームの中心選手が着けることが多いです。

落合博満,宮本慎也,金本知憲,井口資仁,現役なら坂本勇人などですね。

背番号「6」をそのような番号にしたルーツが,中西なのかもしれないのです。


選手としても指導者としても,野球界に大きなものを残しました。

現在でも活かせるものを持っているだけに,もっといろいろな話を聞いてみたかったです。

本当に残念です。

今頃は,大下,豊田,稲尾,仰木などと共に,西鉄時代の思い出話に花を咲かせているでしょうか?

再会できればいいなと思っています。


中西太さん,本当にありがとうございます


合掌

今日はいいところもたくさんあったと思います

今日も神宮で阪神戦です。

先発はヤクルトが市川,阪神が伊藤将司です。


CSに向けて,好材料をたくさん見せてほしいところです。

プロ初先発である市川。

今日の内容次第では,CSのマウンドもあり得るのかもしれません。

そして,今日こそ村上のトンネルは脱出できるのでしょうか?


なお,試合前に嶋と内川の引退会見が開かれました。

嶋は家族の話題になりますと,目に光るものを浮かべました。

内川は明るい晴れやかな気持ちを見せました。

10月3日の神宮が,引退試合ということになりますね。


今日はBSで観戦しました。

解説は若松勉と五十嵐亮太です。

どちらもスワローズの優勝に貢献したOBですね。


結果は2-1で,スワローズが敗れました

消化試合とはいえ,連敗は気分良くないですね。


先発市川は5イニング投げて,4安打1本塁打2奪三振2四球1失点でした。

初回,先頭の中野にホームランを打たれて先制です。

また,同じ相手に同じ場面でやられたのですね。

打たれたのも,昨日と全く同じような球でしたからね。

ただ,その後は毎回ランナーを出しても,何とか抑え続けました。

5回は初めて三者凡退にして,最終的には1失点でまとめ上げたのです。


市川の投球は,緩い変化球中心の技巧派の投球です。

コースに丁寧に投げているのが伝わりました。

ただ,コースばかりを攻めたことで,四球になる場面もあるのです。

それでもあからさまなボールではない分,まだ不安は少ない方だと思うのです。

5イニングで98球投げましたけど,粘り強く投げ続けた結果が出たと思います。

十分「ナイスピッチング」だと思います。

この結果なら,CSのローテーションに入ることもあり得るのかもしれません。

余程高梨や樹理が復調しないなどがあれば,5イニングまで頑張れ」として市川を起用するのかもしれません。

その可能性を見せた投球だと思います。


2番手大西は1イニング投げて,1安打1奪三振の無失点でした。

今日は,いい時の大西だと思います。

三振決めた時の内角ツーシーム,五十嵐いわく「これを投げ続けると,打つのは難しい」です。

3番手石山は1イニング投げて,1奪三振のパーフェクトでした。

CSからもセットアッパーとして,死角なしですかね。

4番手清水は1イニング投げて,1安打1四球1失点でした。

先頭を四球で出して,近本にバントを決められます。

大山に対しては,危うくスタントインというフライにしました。

原口に粘られます。

最後は外の変化球を捉えられて,ホームインされました。

解説が語るに,低めの変化球が浮いた時が危ない。

それがその通りとなりましたね。

ただ,全部ダメというような投球ではないと思います。

清水は最終的には抑えても,ランナーを出すことがそれなりにあります。

そこをきちんと防いでほしいなとは思います。

5番手久保は0.2イニング投げて,1奪三振の無失点でした。

2人を抑えた後,梅野に内野安打を打たれます。

左キラーの陽川代打というところで,今野を投入します。

今野は直球が伸びており,いい時の球になっていたと思います。

最後は見逃し三振にして,復活を見せるのです。


リリーフ投手に関しては,ひとまず安心感を見せたように思います。

市川がCSに入る可能性を見せたことを含めて,投手陣はよかったと思うのです。


野手陣は4安打1得点でした。

伊藤将司が冴えまくっていました。

左打者に対して,外角低めに直球を決めまくります。

直球の伸びがあると同時に,低めに変化球が決まります。

粘ることもままならず,完封ペースとなっていくのです。

3回までパーフェクトに抑えられるのです。

4回,先頭の赤羽が粘り,プロ初ヒットを放つのです。

今季から支配下登録されて,一軍でなかなか打てませんでした。

ようやくヒットが出て,本人もホッとしているのではないでしょうか?

5回,2アウトから長岡が内野安打を放ちます。

6回,先頭の松本友がヒットを打ちます。

赤羽がプロ初犠打を決めます。

山崎のゴロによって,2アウト3塁となります。

ここで途中出場の奥村です。

奥村の打球は投手前となり,奥村は激走してヘッスラします。

内野安打となり,スワローズが同点となるのです。

奥村の執念が生み出した同点打なのです。

投手の悪送球もあり,ランナー2塁となるのです。

ここで村上敬遠で,またしてもブーイングが起こります。

打撃不振の村上,それでも敬遠なのですね…

そんなに,今の村上が恐いのでしょうか?

この後はリリーフ陣に抑えられて,そのままゲームセットです。


今日の村上は,レフトフライ,三振,敬遠,三振でした。

大島も3打数無安打なので,打率の差はそんなに変わってないということになります。

今日の試合を見ていますと,村上の打撃不振は深刻に思えたのです。

高めの直球を空振りし,低めの変化球にも空振りする

もう,相手の思うように抑えられているという感じなのです。

最後の打席,胸付近の直球にも空振りしているのです。

どのような球なら当たるのか,今の村上には分からないのです。

そもそも,村上は普段から研究して,狙い球を絞って打っているのでしょうか?

もしもしていないのなら,これを機に絞るのも1つの手に思うのです。

ここ何試合かを見て,改めて深刻さが見えたように感じました。


今日は昨日と比べると,いいところもたくさんあったように思います。

赤羽は守備でもいいところを見せました。

2回のピンチで,中野の打球は「抜けたよ」と思いました。

そこをセンター赤羽がダイビングキャッチして,一気にピンチを脱したのです。

今日は赤羽にとって,忘れられない日になるのではないでしょうか?

あとはキブレハンの打球も伸びていましたし,オスナの当たりも悪くはありませんでした。

それらを次に向けてのいい兆しにしてほしいところです。


明日から広島でカープ戦です。

先発はヤクルトが石川,カープが森下です。

打線が全体的に低調気味なので,明日は「ツバメキラー」を打ってほしいです。

そうすることで,CSに向けて勢いをつけたいところです。

明日もいいところをたくさん見せてほしいです。


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チームには「神」だけでなく「God」もいる!だけど3連敗…

今日も神宮で巨人戦です。

先発はヤクルトが樹理,巨人がシューメーカーです。


とにかく,カード3連敗は阻止したいです。

昨日,一昨日と負け方が悪く見えます。

そのショックを振り払うため,今日は是が非でも勝ちたいです。

そういう点から,私は今日の試合「どうしても勝ちたい試合」を出すことにします。

この後の展開を左右する1試合になるのではと思うのです。


そのことを含めて,樹理には進退をかけるつもりで挑んでほしいです。

2試合連続,「全然ダメ」が続いています。

「今日ダメなら…」と思うくらいの気概を持ってほしいと思うのです。


さて,昨日登録抹消となった村上が再登録されました。

樹理と共に昇格して,大西が下げられました。

倦怠感があったそうですけど,陰性反応とのことです。

スタメンにも復帰しています。


今日もBSで観戦しました。

解説は若松勉です。


なお試合前,つば九郎が名球会から表彰されました。

昨日の試合で,主催試合で通算2000試合出場を達成しました。

特別表彰として,今日解説の若さんからブレザーを進呈されました。

これでつば九郎も,マスコット初の名球会入りでしょうか?


初回,先発樹理は尚輝と重信を抑えます。

確かに,抑えたのはいずれも直球で,いいところには決まっていました。

しかし,他の球やコースは悉く外れていました。

「これ,ピンポイントで狙われるのでは?」と思ったのです。

予感的中,丸と岡本に直球を捉えられて,連続ホームランを打たれるのです。

次のポランコは打ち損じて,助けてもらったようなものです。

その裏,シューメーカーの前に3者連続三振です。

シューメーカーはあらゆる球がストライクに決まっていました。

もう,完全に樹理と大違いです。

初回の内容では,もう「今日も…」と思えたのです。

2-0からのスタートとなります。


2回,樹理は連続三振を取るものの,中山にヒットを打たれます。

これも甘く入った「打たれて然るべき球」です。

失点は防いだものの,「これ何回まで投げる?」と思ったのです。


3回,樹理は1アウトから重信と丸に連続四球を出していました。

この時点で,ブルペンで木澤をスタンバイさせていました。

正直,私も「ここまでにしてくれ」と思っていたのです。

何とか岡本を併殺にして,失点は免れたのです。

その裏,先頭のオスナがチーム初ヒットを放ちます。

しかし,長岡が併殺となるのです。

次は樹理をそのまま行かせて,続投とさせたのです。


4回,この回の樹理は序盤よりもよくなっていました。

直球で相手を押しており,低めの球で空振りも取れていたのです。

増田陸に2ベースを打たれても,失点は防ぎました。

初回以外,樹理は失点を防いでいるのです。

その裏,先頭の塩見が死球となります。

すると,青木,哲人が連続四球となり,ノーアウト満塁です。

さあここで,今日復帰の村上です。

多くのファンが,グランドスラムを信じたのではないでしょうか?

結果はサードフライで,1アウト満塁となりました。

しかし,次はサンタナです。

そのサンタナが低めの球を捉え,グランドスラムを実現させたのです!

そう,スワローズには「村神」だけでなく,もう1人「ドミンGod」もいるのです!

今日初めて,そう感じたのです。

先週は村上の3連弾,今週はサンタナの連発がありましたからね。

サンタナを「ドミンゴッド」と思うのは,私だけでしょうか?

一気に4-2となるのです。

次の中村もヒットを放ち,ここがイケイケドンドンのチャンスかと思いました。

しかし,そうはなりませんでした。

オスナがヒットか出塁していれば,実現の可能性は十分あったのかもしれません。


5回,樹理が行きます。

その前の4回裏,樹理に代打は送られませんでした。

そのため,ここは賭けだと感じたのです。

樹理は三者凡退にして,勝利投手の権利を得ました。

序盤と比べると,抑えて然るべき球にはなっていました。

それだけに,序盤の不調と2発は悔やまれますね。

その裏,青木が技ありのヒットを放ちます。

ただ,哲人が三振,村上も凡打に終わります。

この哲人の打席で,私は思いが芽生えてきたのです。


6回,2番手久保が行きます。

久保は内外角のコースにきちんと投げ切っていました。

丸からを三者凡退にして,流れを固めていきます。

これはグッジョブです。

その裏,オスナが内野安打を放ちます。

あの力走を見ますと,オスナの魅力かなと思えるのです。


7回,3番手梅野が出ます。

ここからは盤石のリレーで抑えて,勝利をつかみたいところです。

増田陸を三振にして,次は大城です。

ここで変化球の制球の悪さが出てくるのです。

そこを突かれて,大城にホームランを打たれるのです。

これで4-3です。

次の石川にヒット,北村に死球をぶつけます。

次は尚輝というところで,田口を投入します。

田口の球は決して悪くなかったと思います。

尚輝が捉えた打球は,十分に併殺にできそうなものでした。

ところが,哲人の体近くを抜けて,3ベースとなるのです。

5-4と,逆転されたのです。

さらに,ウォーカーにタイムリーヒットを食らい,6-4となったのです。

丸を抑えたところで,5番手コールを出します。

岡本をきっちりと抑えて,これ以上の失点は防ぎました。

ここで引っかかったことは,後述します。


8回,6番手木澤が出ます。

先頭のポランコに四球を出し,増田陸がバントを決めます。

次の大城の打球を,長岡がダイビングしてつかみます。

ところが,そこからの送球が逸れてしまうのです。

この間にランナーが還り,7-4となるのです。

つかんだ瞬間は「ナイス」と思いましたけど,次の瞬間はもう…

今日も失点の内容が悪く,流れはダメと思ったのです。

それでも最後は,オスナの好守が光ったのです。


その裏,先頭の哲人はファーストフライに終わります。

この瞬間,私の哲人への思いは確実となりました。

村上は死球となり,サンタナも四球を選びます。

この絶好のチャンスで,打席には中村です。

中村の打球を投手の高梨がつかみます。

その瞬間,「終わった」と思いました。

ところがカバーが遅れたことで,1塁に投げざるを得なかったのです。

併殺かと思ったところ,2アウト2,3塁となったのです。

さあ,このチャンス,オスナは活かせるのでしょうか?

オスナは高く上げたものの,フライに終わったのです。


9回,木澤が2イニング目も投げます。

ここでオスナが,2回好プレーを見せるのです。

今日はね,ホンマにオスナとサンタナに感謝です。

オスナはマルチ安打,内野安打となる激走,度々の好守を見せてくれました。

これを見習って,最終回に何かを起こしてほしいです。

9回裏,1アウトから丸山和がヒットを放ちます。

次の塩見の打球はセカンドライナーとなり,1塁もアウトとなったのです。

高津がリクエストを要求するものの,判定は覆らずゲームセットです。


7-4で,スワローズが敗れました

とうとう,このカード3連敗となりました。


まず,ホンマに今日はオスナとサンタナに感謝です。

サンタナのグランドスラムは,改めて5番打者の大きさを感じました。

その後もきっちりと四球を選び,チームに貢献する打撃を見せました。

オスナは走・攻・守,全てで「チームが見習うべき」というプレーを見せました。

ホンマに,今日は光っていたと思うのです。

できればもう少し打ってほしかったですけど,敗戦の中で希望と見えたのです。


樹理に関しては,ホンマに「最低限のことをした」と思うくらいです。

5イニングはあくまで最低ラインで,褒めはしません。

「全然ダメ」続きの汚名返上にはなってないと思います。

今日の結果だけに,初回の2発を余計に悔やみそうです。

悔やまないのなら,ユニフォームを脱ぐ時が近づくだけだと思いますけどね。


一番誰に言いたいかと言えば,やはり哲人です。

Twitterでもトレンドになっていますけど,私はこう言います。


今のあなたは何ができるのですか?


逆転となった守備ですけど,あれは「仕方ない」という内容なのでしょうか?

抜けたことになっていますけど,「表示されないエラー」にも見えるのです。

それだけでなく,打撃も全然冴えていませんでした。

打ちごろの球を全然捉えることができず,今日は四球のみ。

はっきり言いますと,この3連戦で何で貢献しているのでしょうか?

最初の打席から「おや?」と思ってはいました。

若さんも打ちごろの球を捉えられないことについて言及していました。

罵詈雑言を肯定はしませんけど,ファンがもどかしく思っているのは事実です。

その意味を,よく考えてほしいです。


この3連敗は,スワローズが抱えている膿を出し切ったと考えることにします。

この結果になるくらい,スワローズには膿が溜まっていたのかもしれません。

どこかでそれを出す必要もあります。

これから先,また荒波は来ます。

その荒波に耐えるように,「スワローズ船」を作り直すか修理する必要があります。

その必要性を再認識した3連敗と考えてはいかがでしょうか?


明後日から広島でカープ戦です。

やはり,優勝することは簡単ではありません。

そのことを忘れず,新たな気持ちで挑んでほしいです。

今日は以上。


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監督未来予想図2 東京ヤクルトスワローズ編

今回も,将来の監督を考える「監督未来予想図2」を書いてみます。

今回は,東京ヤクルトスワローズ編です。

例によって,こちらの動画でドリカムの『未来予想図Ⅱ』を流してください(2022年1月21日アクセス)。


それでは,最後までよろしくお願い致します。


以前投稿した「監督未来予想図 東京ヤクルトスワローズ編」で,私はヤクルトの将来の監督をこのように考えました。


基本的に,野村克也路線は崩さない


2022年現在まで,ヤクルトには確かな「原点」があるということが言えると思います。


1989年から野村克也が監督に就任しました。

3年目の92年に優勝,93年には優勝・日本一になりました。

その後も95年,97年と優勝・日本一となり,ノムさんによって黄金時代が築かれたのです。

その後も基本的にはノムさんの門下生が監督となっています。

2001年に優勝・日本一に導いた若松勉,15年に優勝に導いた真中満,21年に優勝・日本一に導いた高津臣吾。

いずれもコーチや現役時代にノムさんの下で学んだ門下生です。

ノムさんイズムが,22年現在も受け継がれていると言っていいと思います。


球団も,「困ったら原点」ということでノムさんの考えをベースにしていると思います。

首脳陣にもノムさんの門下生がたくさんいることが,それを示しているのです。

それで優勝・日本一になれたということもあり,この路線は基本的に崩さないと私は思うのです。


では,これから先の監督はどのような人物が考えられるのでしょうか?

ノムさんが最後にヤクルトの監督を務めたのは1998年です。

ヤクルト時代の直接の門下生は,現監督の高津を含めて50代に入ってきています。

まだそれでつなぐことができるのかもしれませんけど,10年近くが関の山ではないでしょうか?

古田敦也真中満の再任,BCリーグで監督経験のある伊藤智仁,今度こそ宮本慎也,22年現在二軍監督を務めている池山隆寛

このあたりが監督となれば,ノムさんの直接の門下生でつないでいくということになります。

ギリギリ該当するとなれば五十嵐亮太ということになりますね。


そうなりますと,その先の課題が見えてくると思います。


いかに野村克也イズムを門下生以外につなげていくのか?


ヤクルト時代の直接の門下生が年を重ねてきたとなれば,その先はノムさんイズムを受け継ぐ人が監督ということになりそうです。

ノムさんの門下生から教えらえれたことを,次につないでいくということです。

石川雅規青木宣親が監督となれば,球団はそれを求めるということになると思います。

フロントがそのような「未来想像力」があれば,首脳陣にノムさんイズムを徹底的に叩きこむことを求めるのかもしれません。

あとは,これからの人たちがいかにノムさんをリスペクトしているか次第ですね。


ただし,ギリギリまでノムさんの直接の門下生でつなぐという手も考えられます。

それで考えられる人が嶋基宏です。

楽天時代,ノムさんに徹底的に教え込まれた直接の門下生です。

22年から,ヤクルトで選手兼任コーチを務めます。

嶋が引退時にコーチにするとなれば,もしかして将来ヤクルトの監督になってもらうというプランがあるのかもしれません。

本人もノムさんの訃報が出た時,「野村さんのような名監督になりたい」という決意表明を出しました。

楽天が再び呼び戻す可能性もありますけど,ノムさん路線を続けたいならヤクルトが買うのかもしれません。

ギリギリまでノムさんの門下生にこだわるのなら,嶋が最後の砦となると思います。


では,ヤクルトフロントがノムさん路線以外で監督を招聘する可能性はあるのでしょうか?

可能性はあり得ないこともないと思います。

そもそも,ヤクルトと縁もゆかりもないノムさんを呼んだというのがそれです。

もう1つ,2008年から10年途中まで監督を務めた高田繁も全くの外様です。

いずれでも共通しているのは,「低迷が続いているから,何かを変えなければならない」とフロントが判断したことだと思います。

ノムさんが来る前のヤクルトは全然勝てず,高田が来る前のヤクルトは前年最下位でした。

今後,そのような危機的な状況となった場合は,また違う血を導入するのかもしれません。

22年現在でその可能性があるとすれば,常勝となっているホークスの誰かということになりますかね。

ヤクルトにないスピリットの持ち主を,今後監督として呼ぶのかもしれません。

危機的な状況でなければ,基本的にノムさん路線は続きそうですけどね。


以上を踏まえますと,ヤクルトの将来の監督については次のような結論になります。

野村克也路線を続けつつ,いかにこれからの人たちにノムさんイズムをつなげていくのか

あと10年くらいは,ノムさんの直接の門下生で監督をつないでいく可能性が高いです。

ギリギリまで直接の門下生にこだわるのなら,最後の砦は嶋ということになります。

それをやりつつ,これらの人がいかにノムさんイズムを受け継いでいくのか?

そして,いかにノムさんの考えを進化させていくのか?

それができてこそ,本当の「継承」ではないかと思います。

誰が監督になっても,ヤクルトには「困ったら原点」という場所があります。

それがブレない限りは,チーム編成はそこまで崩れはしないと思います。



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