求究道(ぐきゅうどう)のプロ野球講義

プロ野球について,私が聴いて,観て,感じて,発見したことを基に,新たな考えを発信していきます。 皆さんの新たな発見につながることを祈ります。 「求めるものを究める道」がペンネームです。 よろしくお願い致します。

2018スワローズ記

プロ野球ついて,私が観て,聴いて,感じたことを基に,新たな考えを発信していきます。
皆さんの新たな発見につながることを祈ります。
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どちらもよろしくお願い致します。

五十嵐が帰って・・・キター!

本日,ソフトバンクに今季まで所属していた五十嵐亮太が,ヤクルトと合意したことと発表されました。

帰ってくるのですね・・・

あのロケットボーイズの右腕が,帰ってくるのですね・・・

本当にありがとうです。


かつてのように直球でグイグイ押す投球スタイルではないです。

しかし,ホークスで見せたのは,年月を重ねて作った新たな投球スタイルです。

長きに渡ってリリーフを務めることで培った準備方法や姿勢は,ホークスによい影響を与えたと思います。


今,ヤクルトのリリーフ陣には経験がまだ浅い若い選手がたくさんいます。

梅野,風張,中尾と主軸で若い選手がいます。

そのような選手を中心に,投手陣の手本になって欲しいと思います。

奇しくも,同じくホークスからやってくる寺原隼人もいます。

寺原とともに投手陣の精神的支柱,そして新しい血を入れてほしいと思います。

五十嵐は昔のヤクルトを知り,MLBのことも知っています。

今季,MLBから復帰した青木のような影響を,チームにもたらせばと思います。


五十嵐本人にとっては,10年振りの古巣復帰です。

来年で不惑の40歳。

古巣で,もうひと踏ん張りして欲しいところです。

これが最後の花道になるのか,岩村明憲のように泥臭く最後までプレーするのか・・・

今はもう,来季ヤクルトで思いっきり奮闘して欲しいです。


また,来季への楽しみが増えました。

ちなみに,私は五十嵐のことを略して「いがりょう」と呼んでいます。


皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。





2018年プロ野球10大ニュース その9 哲人3度目の偉業達成

今回も,プロ野球10大ニュースを独断で決めたいと思います。



その9は,東京ヤクルトスワローズの山田哲人が3度目のトリプルスリーを達成したことです。

昨季はチームが大敗する中,哲人もレギュラーになってから最悪の成績でした。

トリプルスリーといわれている,打率3割,30本塁打,30盗塁のどれにも到達しませんでした。

2015年,16年の史上初2年連続トリプルスリーを達成した哲人にとっては,文字通り不本意でした。

小川淳司に監督が代わって,再起を期していたに違いないです。

その哲人が,今季打率.315,34本塁打,33盗塁と再びトリプルスリーに輝きました。

3度目の到達は,前人未到です。


トリプルスリー。

それは打率3割,30本塁打,30盗塁を1シーズンで同時に達成するという記録です。

ヒットも打てて,ホームランも打てて,盗塁をできる脚力も持っている三拍子を高いレベルで兼ね揃えていることを証明する記録です。

これまでの日本プロ野球84年で中西太,秋山幸二,柳田悠岐をはじめ10人しか達成してない珍しい記録です。

その一覧を図表1で出します。
トリプルスリー

それを哲人は,3回も記録したのです。

ちなみにアメリカでは「打率3割,30本塁打,30盗塁」という概念は存在しないものの,ハンク・アーロン,バリー・ボンズ,アレックス・ロドリゲス(Aロッド)といった選手が記録しています。

一度でも記録すれば,それだけでも巧打,長打力,俊足を兼ね揃えた選手という証になります。

それを2年連続かつ3回もというのは,どれだけ哲人が26歳でレジェンドに並んだかが示されるものだと思います。

「トリプルスリー」という数字が,いつから認知されたかははっきりとは分かりません。

それでも2015年には,哲人とギータが同時に達成したこともあり,盛んにこの言葉が使用されました。

この年の流行語大賞の1つに,「トリプルスリー」が選ばれました。

そこから「トリプルスリー候補」や,「将来トリプルスリーを狙える逸材」という表現も出てきました。

その中で,哲人が初めて複数回達成したのです。

「トリプルスリー」という記録が選手の評価や目標になるまでの認知度になったことにおいて,哲人の貢献が大きいというのは言うまでもないと思います。

まさに哲人は応援歌の通り,平成の最後に「新たな時代」を作ったのです。

その意味でも,この3度目の達成はプロ野球界で新たな時代へとつながる記録だと思います。



一方,投手では読売ジャイアンツの菅野智之が防御率,勝利,奪三振の部門すべてでリーグトップとなり,投手三冠王を達成しました。

この記録は,84年の中で19人存在し,2回達成したのは稲尾和久のみというものです。

沢村栄治,金田正一,鈴木啓示,野茂英雄といった偉大な選手が記録しています。

平成の最後に,菅野はレジェンドたちに肩を並べられそうなところまで来たことを証明したのです。


対して,今季も野手での三冠王は誕生しませんでした。

結局,平成で三冠王に輝いたのは,2004年の松中信彦のみとなりました。

この84年間で野手の三冠王は,トリプルスリーや投手三冠王よりも少ない7人のみです。

10年に1度現れるかどうかの偉業となっています。

その一覧を図表2で出します。
三冠王

今いる選手で,最も三冠王に近い選手は誰になるのでしょうか?

筒香か,誠也か,ギータか,新外国人なのか・・・

果たして,新時代に三冠王は誕生するのでしょうか?



トリプルスリーと三冠王のどちらがすごいかの比較をしている訳ではありません。

トリプルスリーは本塁打と盗塁という,ベクトルが逆のことで同時に記録を伸ばさないといけないのです。

本塁打狙うとランナーになれないし,出塁狙いで本塁打は狙えない中で記録を作るのです。

これは長打と俊足の両方の天性がないとできないことです。


三冠王は打率という上下する数字に左右されない精神力。

本塁打という長打をコンスタントに打てる天性。

打点という味方につけるべき運。

この3つの要素を1年で全てモノにしてこそ達成できるのです。


どちらがすごいのかではないのです。

その年に全てを達成する,全てで頂点に立つということがすさまじいのです。

その年をモノにしたといっていいくらいの記録なのです。

新時代で,トリプルスリーと三冠王を同時に達成する選手が現れるのでしょうか?

もっといえば,三冠王プラス盗塁王の四冠王という前人未到の「超人」が現れるのでしょうか?

哲人は2015と16年に,トリプルスリーと同時に100打点も達成しています。

「トリプルスリー」という記録の意識が高まったことで,もしかしたら四冠王の可能性が開けてきたのかもしれません。
いや,まさかまさかの首位打者,本塁打王,打点王,盗塁王,最多安打,最高出塁率独占の六冠王が,ついに現れるのでしょうか?

パワプロなら,楽に出せるのですけどねぇ…

新時代は,またとてつもない記録を望んでいるのかもしれません。

いや,もう誰かにそれを用意しているのかもしれません。

それを予感させてもいいことを,哲人は平成最後に成し遂げたと考えるのは私だけでしょうか?


皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。

このトレードは意外かな・・・

正直,朝起きてこのニュースに驚いています。

ヤクルトの秋吉亮と谷内亮太,日ハムの高梨裕稔と太田賢吾のトレードが発表されました。


日ハム側から見ると,糸井嘉男がトレードされた例があるので,何があってもおかしくはないと思います。

ただ,ヤクルト側から見ると,秋吉というWBCにも出た選手で,これから年期を重ねていくと考えていただけに,かなり驚いています。

「あぁ,秋吉も出すんだ」

というのが,第一声なのかもしれません。


谷内はショート,セカンド,サードと内野のユーティリティープレーヤーです。

空いているセカンド,レアードの去就が分からないサードの埋め合わせにいいかもしれません。

西浦の台頭でレギュラーが難しくなったこともあり,環境変えて奮起して欲しいです。


太田は,谷内と同様内野のユーティリティープレーヤーです。

こちらも石井一や渡邊らと競って,なかなかレギュラー獲れない状態です。

まだ21歳と若いので,サードを中心に奥村や廣岡のライバルになれたらと思います。


秋吉は,ヤクルトファンの中には受け入れがたい方もいると思います。

まだ自分も,出されることにしっくりこない感じです。

変則投法がいない日ハムが白羽の矢を立てたということです。

今季は中尾と梅野が台頭したこともあり,秋吉は主力では投げませんでした。

「昨季の故障や不調がなければ・・・」と「if」を考えてしまいますね。

ただ,日ハムが欲しいと思った上でのトレードです。

リリーフ陣で精神的支柱がいないから,金子と同時に必要と思ったのかもしれません。

東京出身で地元から離れることになりますが,新天地で返り咲いて欲しいです。

秋吉はマー君世代。

まだ老けるには早すぎます。


高梨は,日ハムファンの中には受け入れがたい方もいると思います。

新人王を獲得してから,先発の主力として投げていましたから。

先発が足りないヤクルトが白羽の矢を立てたとのことです。

金子を獲れたことで,出してもいいと判断したのかもしれません。

ヤクルト側からすれば,「いいのかな?」という気持ちも若干あります。

こちらも,ヤクルトが欲しいと思ったトレードです。

地元が千葉なので,ご家族は呼びやすくなったのかもしれません。

移動も少なくなったのかもしれません(在京球団がヤクルト,巨人,ベイとあるから)。

今年で27歳と,まだまだ若いです。

主力になれる可能性は,十分にあります。


ヤクルトと日ハムのトレードでは様々な例があります。

藤井秀悟らの代わりに,川島慶三らを獲得したこともあります。

増渕竜義の代わりに,今浪隆博を獲得したこともあります。

杉浦稔大は地元凱旋で奮闘しています(屋宜には奮闘して欲しいです)。

ヤクルトと日ハムは,このように積極的にトレードを行っています。

今回もお互いに実りあるトレードになればと思います。


『秋吉の「放出」』とネガティブには考えません。

高梨らを獲得するための「代わり」と考えます。

ヤクルトにやってくる2人も,ヤクルトを出る2人も新天地で活躍できればなと思っています。

Good luck!


皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。

2018年の振り返り 東京ヤクルトスワローズ編

今回も今季の振り返りを書いてみたいと思います。

今回は,東京ヤクルトスワローズ編です。

それでは,よろしくお願い致します。



 今季は,75勝66敗2分の2位で終えた東京ヤクルト。ただ,CSでは1stで敗北した。それでも,昨季は96敗という球団史上ワーストを更新するくらいの大敗だった。そこからカープに続いて貯金で終えたのだから,大逆襲にはなったと思う。
 まず年間でどのような勝率だったのか。こちらの図表を見てほしい。
振り返りセリーググラフ

 まず,スタートは最も悪かった。ここまでの感じでは,「あぁ,今年も最下位か・・・」と思う人も多かっただろう。ところが,ここからスローガンである「Swallows Rising」が始まったのだ。5月に勝率を上げると,交流戦の最高勝率を含めて6月には6割5分まで上げた。7月に再び5割を切るが,ここから再び「Swallows Rising」が始まった。8月に再び勝率を挙げて,終盤は9・10月で最高勝率となった。7月の下降は余計かもしれないが,2度に渡ってスローガンの通りになったのだ。序盤は1か月かけて浮上の準備をし,そこから交流戦まで俄然上げてきた。交流戦で疲れたのか,7月は休憩して浮上の準備をする。そこから夏場に再びチャージをかけた。そんな流れといったところだろうか?チャージの時にぐんと勝率を上げたから,2位になれたということでいいのかな?

 それでは勝敗表を見て分かることはあるだろうか?こちらの図表を見てほしい。
振り返りセリーグ成績

 まずは交流戦でグーンと貯金を作った。その勢いが良かったのか,阪神とベイを中心に4球団相手に貯金を作った。自分より下位にいるチームに勝ち越せるとなると,2位は自然になるであろう。ただ,本当に唯一カープ相手に13個も借金を作った。それもホームとビジターどちらも大きく負けている。神宮でもマツダスタジアムでもほとんど太刀打ちできなかったというお手上げ状態だった。デーで一つも勝てずに,ナイターでも完敗。カープ相手には,いいところナッシングである。これでは優勝なんて無理。ゲーム差以上の差を感じてしまう。ただ,今季はトータルでホームで大きく勝ち越した。神宮を味方につけていたのは間違いない。3位以下はほとんど借金が貯金少しなだけに,やはりホームを味方につけるのは大きいことを示しているのかもしれない。

 それでは戦力を見てみたいと思う。まずは投手陣。こちらの図表を見てほしい。
振り返り東京ヤクルト投手

 防御率4位は,決していい方ではない。失点は最も多いが,自責点は4位である。「失点-自責点」が最も多く,投手以外によって点を取られていることが多いことを示している。一方で,WHIPや四球がそれほど悪くない数字を出しているので,投球の内容自体はそこまで悪くないようにも見える数字が出ている。これらを合わせると,余計な失点というものが優勝を阻んだ一つの要因なのかもしれない。暴投も多いことで,失点が増えたのかもしれない。ただ,ホールドは2位で,セーブは1位とリリーフ陣は優秀だったという数字が出ている。一方で完投数,QS,HQSはそれほど優れた数字を出してない。つまり,今季は勝敗の鍵はリリーフの方に比重が置かれていたということである。先発が5回まで投げても,リリーフでつないで勝ちに導いたことが多かったということである。

 それではメンバーで見てみる。まずは先発陣。規定投球回達成者はブキャナンのみ。これは2年連続のことである。他に100イニング以上投げたのは,樹理,石川,ライアンである。あとはカラシティー,ハフが続いたところ。ただし,ハフは途中からリリーフに転向している。6人目はいろいろな投手で穴埋めをしていた。ベテランの館山,若い高橋に星,中堅の山中などが主に登板した。先発の内容を見ると,QS2桁がブキャナンとライアンのみ。石川は22試合中4回のみで,他も先発回数の半分もQSがない。完投はブキャナンと樹理の2回ずつのみ。トータルで,6回までの「好投」も少なかったということである。先発主軸の5人で防御率3点台よりいいのは樹理とライアンのみ。2桁勝利もブキャナンのみ。どの面を見ても,「いい先発陣」とは言い難い数字しか出てこない
 ただし,よかったのは先発が固まってきたタイミングである。序盤はライアンと星が出遅れることが分かっていたので,ブキャナン,石川,樹理,ハフ,館山が中心からスタートした。ところが樹理が調子が上がらず,リリーフにまわされた。交流戦くらいにライアンが復帰し,ブキャナンに並ぶ存在を見せてきた。そして,リリーフから転向したカラシティーが本塁打を打つなど思った以上の活躍を見せてきた。ハフがリリーフに転向しても,樹理が再び先発に戻り好投を見せてきた。最終的にはブキャナン,ライアン,樹理,石川,カラシティーが主軸になっていた(多少の離脱はあったけど)。終盤では,星が復帰し,高橋が登場するようになった。リリーフと共に試行錯誤を繰り返しながら,選手が調子を取り戻したり,力を発揮できるポジションを固めてきたということかと思う。
 リリーフ陣。セットアッパーは近藤,クローザーは石山で固まっていた。この2人は70試合以上登板というフル回転だった。他に50以上投げたのは中尾と風張。30以上投げたのは中澤と秋吉である(先発10回以上したハフ,カラシティー,樹理は除く)。これらに梅野とルーキー大下が続く形になった。この中で2桁ホールドは近藤,中尾,中澤,梅野である。この中で近藤が35ホールドと,他の選手に対して圧倒的な数字を残した。クローザーの石山は35セーブと,リーグ2位の数字を残した。8回は近藤,9回は石山と盤石な体制ができて,きちんとつなげて柱へ持って行けたからこのような数字が出たと思う。ただ,機会が多すぎて,2人とも70試合以上という全試合中半分近くの登板になった。
 リリーフ陣も先発同様試行錯誤の1年だった。最初はセットアッパー秋吉,クローザーはカラシティーということろからスタートした。しかし,どちらも調子が上がらず,登録抹消となった。そこで7回あたりを予定していた近藤と石山がそれぞれセットアッパーとクローザーを務めることになった。しかし,近藤は緊迫したところで投げる経験はほとんどなく,石山はルーキーイヤーに少し務めたくらい。心許なさは目に見えていた。そんな時に,7回を任せられる中尾が交流戦あたりから現れた。これで7,8,9回の中尾,近藤,石山のリレーができた。しかし,中尾は2年目で疲労が段々と出てきた。ここで首脳陣は中尾を抹消して休ませることを決断した。その7回には右で新たに梅野,左でハフを据えることになった。ビハインドでの登板は風張と中澤を中心に,途中から大下が頭角を現してきた。これで秋吉を無理のない場面で登板させることができた。このように試行錯誤などを繰り返して,リリーフ陣のメンバーを作ったのである。
 今季の投手陣をまとめると,先発・リリーフ共に試行錯誤しながらの起用だった。特に新外国人のハフとカラシティーについては,個人的に登録抹消の時点で終わったかと思った。ところがカラシティーは先発をさせて見たら,自ら本塁打を打つなどで活躍した。ハフはリリーフで,中尾が抜けてから左の主力として好投した。本来の適性かどうかは分からないが,うまく主力になれたのである。一番大きいのは,近藤と石山が奮闘してくれたこである。2人ともシーズン途中から,いきなり柱を任せられることになった。その中で最優秀中継ぎとセーブ2位にまでなれたのは御の字以上である。柱が最後まで一貫したから,他の選手に柱を求めることなく頭角を現せるようになったと思う。序盤は中尾が7回を投げるようになったが,疲労を考慮し途中から登録抹消した。試行錯誤の末に梅野とハフが入るようになった。この他にも風張,大下といった選手も現れた。そして,なかなか調子が戻らない秋吉に無理を強いることがなかった。このような試行錯誤の中でなかなか定まらなかったのが,勝率の低い3・4月と7月だったのかもしれない。主力が固まってきたときから,ぐーんと勝率が伸びたのである。
 ただし,年間通してはよかったかもしれないが,絶対的に頼れる存在は極めて少なかった。主力で防御率2点台なのは,石山とライアンのみ。これではここぞという勝負どころでは,少々不安である。CSで敗退したのは,そこの弱さ故だったかもしれない。実際,2試合目は絶対的エースの菅野にノーヒットノーランと完敗である。絶対的なエースがいるという点で,まだまだというところを見せられたのではないだろうか。
 その一方で,無理を強いることなく投手起用と育成できたと思う。風張,大下,梅野を段階的に登板のタイミングのレベルを上げていき,中尾は疲労を考慮して途中で抹消した。ライアンも然るべきタイミングで復帰し,無理をしないように途中で一度離脱させた。星も終盤で万全の状態で復帰し,高橋も初勝利を挙げた。おかけでなかなか復調しない秋吉に無理を強いることもなかった。それができたのも,ブキャナン,近藤,石山と年間通して投げた選手がいるからである。来季は皆で3人を支える投手陣になれたらと思う。

 それでは野手陣を見てみる。こちらの図表を見てほしい。
振り返り東京ヤクルト打撃

 チーム得点658は,1試合平均4.60である。防御率4.13を十分にカバーできる打撃になっていた。ただ,得点を多く稼いだ割に長打はそこまで多いものではない。盗塁も多い方ではない。多いのは犠打と四球である。出塁率は2位で,OPSも2位と高い方にいる。打率トップを含めて出塁を多くし,犠打などで確実につなぎつつ点を取りにいくことができていたということだろう。どっしり構えて,点を確実に獲りに行くスタンスを選んだのかもしれない。それでも長打の低さと併殺打の1位という点で,そこを改善していればもう少し点数が取れていたのかもしれない。ここが優勝との差なのかもしれない。

 メンバーで見てみる。規定打席達成者は哲人,バレンティン,坂口,青木,西浦,雄平である。日本に帰ってきた青木が定着したのも大きいが,西浦がようやく定着したのも大きい。長年固定できなかったショートに対して,ようやく希望が見えてきたということになった。名ショートである宮本がヘッドコーチになったことで,何かを西浦がつかんだのだろうか?
 今季は全てのポジションでそれなりにメンバーは固まっていた。キャッチャーは中村メインで,たまに井野。ファーストは坂口,セカンドは哲人,サードは慎吾,ショートは西浦,外野はバレンティンと青木と雄平。以上でほぼほぼ固まっていた。慎吾が離脱していた時に,大引,廣岡,谷内が入ったくらいである。昨季と比べると,圧倒的に主力の離脱が少ないのである。毎年といっていいほど必ずどこかで故障するバレンティンも,1試合休んだだけである。昨季は主力とそれ以外の選手の格差が大きいことで,主力の悉くの離脱に対応しきれなかった(詳しくは「新たな3点から見る野手陣 東京ヤクルト編」をクリック)。それが今季は主力の離脱を少なくしたことで,年間通してどっしりと戦えたのである。
 内容を見ると打率3割超えが青木,雄平,坂口,哲人と4人もいる。哲人とバレンティンは30本塁打超えで,あと2桁は青木,西浦,雄平と5人もいる。このようにあらゆるところで結果を出した選手が多いことで,どこでも出塁できて,どこでも点を取れるメンツになっていたということである。哲人は前人未到の3回目のトリプルスリーを達成し,バレンティンは131打点で打点王になった(2013年に60本塁打を打った時と同じ打点)。打てる選手が増えたことで主軸にも安心感が生まれ,自分の力や役割を発揮しやすくなった結果が出たのだと思う。
 犠打の数が最も多いが,実は2桁犠打は20以上の西浦と中村のみである。下位打線の2人に多いということは,下位は上位につなげることを徹底した」ということなのかもしれない。もしくは「できる選手はするべき時にする」ということを徹底させたのかもしれない。こうなってくるとあることが言えるのかもしれない。
 ただ一方で,盗塁2桁が盗塁王の哲人のみである。次点で坂口の9つである。カープからコーチとして,琢朗と河田を連れてきても盗塁は増えなかった。代走を含めて,もう少し盗塁増えてもよかったのではないかと思う。ただ,坂口,青木,雄平,西浦と走れる選手はいる。今季の数字を見て思うのは,「走る」といっても盗塁ではなく走塁を重視したのかと思う。ランナーに出たら盗塁するのではなく,打った時に少しでも先の塁を果敢に狙いに行くことを徹底したのかもしれない。それで長打が少ない割に点を取れたのではないかと思う。哲人やバレンティンのように本塁打を狙っていく打線のイメージがあるが,実は塁に出まくって,打ったら果敢に走るスタイルだったのだ。かつての横浜の「マシンガン打線」のようなものだったのかもしれない。これはその一員であった琢朗がコーチに入ったからなのだろうか?そうなると,連れてきた効果は大きいなと思うのは私だけだろうか?
 ベンチ要員を見てみる。代打は畠山,荒木,上田がいた。代走は田代,上田,三輪がいた。守備要員は上田,田代,井野,荒木がいた。昨季と比べると,ベンチ要員はどっしりベンチで構えていた。たまにスタメンで出ることもあるが,上田のように常に帯同していた選手がいる。これらの選手が抜けたときも,ルーキー宮本と塩見をはじめ,若い選手を積極的に起用した。これでベンチに困ることはなかったと思う。
 
 守備面を見てみる。こちらの図表を見てほしい。
振り返りセリーグ守備

 守備率は決して高い方ではなかった。最下位の阪神と,失策は1つしか違いない。この守備の悪さは,「失点-自責点」が最も多いという点で反映されたと思う。この余計な失点が多かったという点も,もう一つ勝ちきれなかったことにおいて大きかったといえるであろう。ただ,捕逸は最も少ない。内訳は中村,井野,古賀が2つずつである。一番ホームベースを守った中村でも2つである。キャッチングにおいては,中村と投手陣の信頼関係は築けたのではないだろうか?それでも中村自身の失策は7なので,直すところはあるはずである。守備面の改善は,全員共通の来季の課題でよかろう。

 野手陣をまとめると,今季はメンバーをほとんど固定気味に戦えた。前述した主力とそれ以外の格差が縮まることはなかったが,主力の離脱がほとんどなく年間通して安定的に戦えたのである。その大きな要因は,まず坂口のファーストコンバートである。2月の初めころに青木の復帰が決定し,外野がバレンティンと雄平であふれることが見えた。それが分かると坂口は,ファーストをすることに何も言わずに練習を始めた。首脳陣に要求されたのと,「自分が生き残るにはそれしかない」と思ったからだと思う。春季キャンプとオープン戦という短い期間で,ここまできちんとこなしてくれたと思う。これでバレンティン,青木,雄平の誰かを無理やり外す必要がなくなって,全員どっしりと試合に出れたのだと思う。
 もう一つは青木の復帰。昨季は慎吾,ハタケ,雄平と悉く主力が離脱したため,哲人とバレンティンに大きく要求してしまったのだと思う。それで力んで2人とも不本意に終わったと思う。そこにMLBで6年プレーした青木が帰ってきて,チームを支える存在を見せた。これで哲人とバレンティンに求められる比重が分散し,気持ちが楽になったのだと思う。それで2人ともタイトルを獲得できるくらいまで力を発揮できたと思う。
 私としては,メンバーが集まって「このような野球をやろう」というよりは,今は,打って勝つしかない」という意識が共有されたことで結果が出たのだと思う。それを哲人がヒーローインタビューで表したことがある(詳しくは「哲人のヒーローインタビューから感じた,今のヤクルトの方針」をクリック)。投手陣が不安定だから,勝つには打って点を取りまくるしかない。そういう意識がチーム内で一致したからこそ,投手陣をカバーできる打線になったのだと思う。犠打の総数が多いが2桁は少ないというのも,この意識の共有という点で現れたのかもしれない,どのタイミングで犠打すべきかを見極め,きちんとこなしていたということなのかもしれない。
 同時に若い選手の経験も積極的にさせていた。ルーキーで村上,塩見,宮本,松本を試合に出してみた。村上のプロ初本塁打を含めて,塩見と宮本も初ヒットが出た。大村や古賀も起用し,初ヒットが出た。スタメンで出して活躍しろではなく,ベンチで一時的でも戦力になればOKという気持ちで送り出したのだと思う。来季はもう少し出番を増やして,主力候補になればいい中と思う。
 それでももう一歩だったのは,まず盗塁の数であろう。併殺が多かったのは,一塁ランナーがなかなか走らなかったことと無関係ではないと思う。哲人だけでなく,上田,田代,坂口,山崎,塩見,比屋根と走れる選手はいた。それを盗塁で活かすことができなかった。ベンチでも代走の切り札という点では薄弱であった。若い選手を中心に,俊足選手をより活かせるようになればいいのかなと思う。
 もう一つは,若い選手が改めて格差を思い知らされたということではないか。今季は前述の通り,全ポジションほとんど固定で戦えた。ベンチでも荒木,上田,井野は固定気味になった。裏を返せば,これ以外の選手は全くといっていいほど入る余地がなかった。比較的空いていたショートには西浦が定着し,廣岡,谷内,奥村はその争いに負けた。サードも慎吾が復帰し離脱したときでない限り,若い選手や大引に出番はなかった。主力に故障者がなかったから打線が崩れることがなかったが,主力が抜けたときは昨季同様脆くなる。実際,終盤に青木が離脱したことで,CSでは苦戦した。この格差を主力以外の選手はどのように受け止めるべきであろうか?

 総合的にまとめてみる。まず,今季はチーム全体で試行錯誤が続いたと思う。投手については前述の通りだが,野手陣も試行錯誤した。開幕当初の打順は,1番哲人,3番バレンティン,4番青木だった。それが途中から1番坂口,2番青木,3番哲人,4番バレンティン,5番雄平で落ち着いた。今季重要視したのは2番である。ここで送ってつなぐのではなく,打ってつなぐことを選んだのである。そうすることで,哲人とバレンティンといったクリーンアップにチャンスを広げたのである。2番を重視した証拠に,終盤で青木が離脱したときは2番に哲人を据えたことがあり,CS1st1回戦もそれで臨んだ。このように野手も試行錯誤をしながら,今一番いい戦術を選んで行ったのだと思う。この試行錯誤中で固まってなかったときが,負け越している3・4月と7月だった。
 今季は,小川監督になったことで「みんなの力」という意識が強くなったのかもしれない。そのように私が感じた試合がある(詳しくは「今季のヤクルトは,「POWER OF UNITY」を再現しているみたいです」をクリック)。確かに哲人,バレンティン,近藤とタイトル獲得者はいて,3割超えといった選手も多くいた。それでも,それだけでは勝てないなと私は今季のヤクルトを見て知った。チームの力にする」ということで,自分を発揮できた。だからタイトル獲得までになれたのだと思う。だからこそ,弱点を補えたのだと思う。
 それでも,足りないところはあった。それをCSの敗退で思い知らされたのだと思う。それこそ,来季への課題である。
 まず,絶対的投手をはじめ先発の主軸が少ない。CSの1戦目は主軸のライアン,2戦目は樹理が投げた。そして3戦目があるときはチーム最多勝投手のブキャナンではなく,終盤にデビューした高橋の予定という。つまりは,短期決戦で確実に取れそうな先発がいないのだ。実際,カラシティーが先発で好投しなかったら,ハフの穴はどうなっていたのか?絶対的エースを含めて,先発の主軸を増やしたい。樹理や星の向上だけでなく,外国人獲得も考えるのがいいだろう。
 野手は主力よりもそれ以外の選手の向上である。開幕前に私は,「2018年の展望 東京ヤクルトスワローズ編」で今季のテーマを「古参vs新参」と思った。結果的には雄平,慎吾,青木といった古参が活躍し,藤井,奥村,山崎といった新参は負けたことになる。主力とそれ以外の選手との「格差」は,さらに広がったといっていい。昨季ブレイクした藤井,山崎,奥村も試合数を伸ばせなかった。ここを何とかしないと,昨季のように主力が悉く離脱したときどうしようもない。
 あとは来季に向けて懸念すべきは,近藤と石山の登板過多の影響に備えること。今季2人には,本当に踏ん張ってもらった。その影響が来季に出るかもしれない。中尾や梅野などの向上はもちろん,セットアッパーかクローザーを務めれる外国人獲得も視野に入れたいところである。
 ドラフトでは2度抽選を外した末に,国学院大の清水を指名した。東京出身で,高校も大学も東京という地元出身。タイプとしては,現役なら樹理,OBなら川崎憲次郎と似ているか?課題である先発陣に1年目から入れる可能性もある。
 来季で第二次小川淳司政権の2年目が始まる。監督に小川が復帰して,1年目は最下位から2位に躍進させた。小川に対しての私の考えについては,「監督のバックボーン 小川淳司編」をクリックして欲しい。そしてやはり,ヘッドコーチとして宮本慎也を呼び戻し,カープから石井琢朗と河田雄祐を連れてきたことは無視できない。宮本によってチームに緊張感が生まれ,考えた野球を実践するようになったのかもしれない。そして,琢朗と河田で走る意識を変えて,長打が少なくても得点力を上げたと考えられる。他にも田畑一也が投手コーチになり,投手の育成とやりくりはそれなりにうまくいった。小川の統率の下,それぞれのコーチが存分に力を発揮できたのかもしれない。極端に言えば,小川が何かしたというよりも,単純にまとめ役に徹したのかもしれない。それこそ,小川の手腕なのかもしれない。
 昨季は球団全体にとって屈辱の年だった。そこから,ここまで「Swallows Rising」した。「俺たちはここまで来れるんだ」と何かをつかんだに違いない。浮上した嬉しさもあるが,CSで敗退した悔しさもある。まだ「Swallos Rising」は完結してないんだ。さぁ,昇り切ろうぜ。4年振りの覇権奪還へ。



次回は,福岡ソフトバンクホークス編です。


皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。



ドラフト・アンサーチェック 東京ヤクルト編

今回もドラフトで指名した選手を見てみたいと思います。

今回は,東京ヤクルトスワローズです。

それでは見てみましょう,アンサーチェック!



まずは事前予想を抜粋します。

東京ヤクルト・・・補強ポイントは,エースを中心に投手。野手はポスト畠山狙い。

ドラフト5

 ヤクルトは第2期で戦力外は出さない方針なので,他のチームと比べて放出が多く見えてしまいます。裏を返せば,ドラフトはこの放出を基にということが分かりやすいと思います。
 まずは何といっても投手です。ここまでの放出分,今度は新戦力を獲得するはずです。右や左は一切問いません。先発とリリーフも問いません。とにかく投手整備は,来季に向けて必須です。先発については,ドラフトの不運もあり絶対的なエースが不在のままです。その候補でかつ抽選に当たったのは,2007年の由規以来ではないでしょうか?斎藤佑樹,藤浪晋太郎,大瀬良大地などとエース候補については,その後悉く外しています。今度こそといっていいくらい,ライアンを支えれる絶対的エースが欲しいです。リリーフについても,石山はクローザーで1年目,近藤は30代半ばに入り,梅野と中尾はまだ若い。そうなりますと,まだ若いリリーフ候補は確保したいところです。ここら辺は2位以降で獲りに行くと思います。
 野手については,まず高齢化が進んでいるのは外野です。青木が来季で37歳,雄平,バレンティン,坂口は35歳,上田でも31歳になります。山崎や塩見など若い選手もいるにはいますが,まだ主力になれそうな兆しまでは来ていません。とはいえ長打力のある鵜久森と大松と武内が退団したこともあり,長打力の補強が必要になりました。昨年は村上を獲れましたが,今季も1人くらいは新たな候補を獲っておきたいところです。ポスト畠山に目処をつけたいところかなと思います。
 ポジションとしては,大砲候補は右打ちの選手を優先したいところです。現在,右で長打力を発揮している日本人が畠山くらいです。鵜久森が抜けた以上,誰か村上と双璧を成しそうな選手が欲しいところです。ファーストを守れる選手が一番ベストかもしれません。ただ,谷内や西浦といった選手がそれなりに年とってきたと考えるのなら,どこにでもコンバートできるショートもありかもしれません。投手については,エースになれる選手は必須。2位で獲得してもいいと思います。あとはポジションや右左問わずに投手補強を徹底的にしたいところです。
 ドライチは,本日根尾を公言しました。ヤクルトは毎年のようにドライチを宣言します。他球団への牽制や当該選手への誠実さをアピールするためだと思います。ただ,それで10年近くも当たってないのが現実です。エースとして獲るのか,村上との三遊間を夢見て獲るのか・・・今度こそガッツポーズを出したい。3年前の空振りを,ホンマにしたい・・・



それでは,今回指名した選手を図表1で出します。
東京ヤクルトドラフト

 まずは,ドライチで公言通り根尾を指名しました。しかし4球団競合の抽選で外して,代わりに大学投手の上茶谷を指名しました。これもベイと重複し,またしても抽選を外しました。外れ外れ1位で指名したのは,同じく大学投手の清水です。
 最初はものすごい逸材ということで根尾を指名しましたが,私は大学投手1位がいいと思いました。今季のヤクルトが優勝に届かなかったのは,明らかに投手不足です。かねてから私は絶対的なエースを欲しいと思いましたが,清水はその候補になるかもしれません。イメージとしては樹理やライアンと同じようなタイプに思えます。ライアンが一人ぼっちということが続いていることで,同じ外れ1位の樹理とともに1年目から先発ローテに入って欲しいところです。ただ,樹理と同じくらいの評価なら,最初は5勝すれば御の字と見守るのがいいかもしれません。
 2位中山は,長打力が売りの外野手です。外野が高齢化しているので,ポストバレンティンといったところでしょうか?大学選手ということで,かつての広澤克実あたりのイメージでしょうか?ここ最近は哲人以外主砲が育ていないということで,和製大砲になればなと思います。長打力を来季重視するのであるならば,1年目から出番があるかもしれません。
 他に即戦力といえそうなのは,5位の坂本くらいです。今回成瀬や久古といった左腕を放出した分の穴埋めになるでしょうか?現状としてリリーフ左腕は中尾と中澤くらいなので,いきなりリリーフ左腕の筆頭になる可能性もあります。社会人出身ということで危機感は十分にあると思います。1年目から注目してもいいと思います。
 一番気になるのは,8位の吉田です。社会人内野手です。現在内野手は若い選手の候補でそれなりにいます。若い選手でも廣岡,宮本,村上,奥村といます。そうなりますと,三輪の後釜か,渡辺や谷内の危機感をあおることが目的かもしれません。気になるのは23歳の社会人選手で8位という順位です。そして,あまり野球で聞かない企業の野球部です。なので全てが未知数といいますか,分からないところがいっぱいなのです。余ったから獲ったとか,そんな短絡的な理由ではないと思いますが,個人的には非常に気になる存在です。もしかしたら,スカウトの眼力が一番試される選手になるかもしれません。
 投手は他に,3位市川,6位鈴木は高校選手で,7位久保は大学選手です。ここ最近は下位指名からの這い上がりが高卒を中心になかなか見えないので,数年かけてでもチャンスは十分にあると思います。野手は他に,4位濱田が高校外野手です。外野とはいえ,長打力が売りの高校選手はポスト畠山を予感させるものがあると思います。ここら辺の選手は,2,3年後に頭角を現すくらいにじっくりとファームで育成すればいいと思います。
 育成では2名指名しました。捕手の内山は,ここ最近山川や古賀など若い捕手が台頭していないことに対しての尻たたきの存在となるでしょうか?今季は中村と井野が主に出ていました。井野が30半ばに入っていることで,できれば早めに中村に次ぐ捕手に目処をつけたいところです。内野手の松本は,前述の通り台頭しない若い選手の尻たたきになるでしょうか?まずは支配下登録を目指すところからだと思います。しかし,ヤクルトも育成から主力に這い上がった選手はいません。そのジンクスを破って欲しいところです。
 全体を見ますと,事前の私の予想と合致しているところもあるかなといったところです。即戦力投手で清水と坂本,右の大砲候補で中山と濱田といったところです。もう1人くらい即戦力を獲得するかとも思いましたが,右と左で1人ずつ獲れたのはよかったのではないかと思います。野手の理想はファーストといいましたが,外野ならファームなどでファーストの練習をさせてもいいかもしれません。実際,昨年の1位村上もプロに入ってすぐに捕手から内野手に転向させました。全ては,大砲として打撃で開眼させることが優先となります。2位中山にはその可能性が大いにあると評価したのだと思います。そして,ショート候補で吉田も獲れました。すぐにチームに必要な即戦力投手,今若い選手が不足しているショートと大砲候補に目処はついたドラフトになったのではないでしょうか?
 個人的な注目選手は,清水と吉田です。清水は外れ外れ1位とはいえ,大学投手ということもあり即戦力の可能性があります。ここ最近のドラフトでは,外れ1位が主力になってきているケースがそれなりにあります。外れ外れ1位で哲人,外れ1位で石山と樹理がいます。その流れに清水も乗って欲しいところです。投手陣がどこでも不足しているので,1年目からチャンスはあると思います。吉田については先述の通りです。その他の理由として,今季台頭してきた西浦やその他のライバルをいきなり脅かす存在になるでしょうか?いきなり守備要員でも一軍に入れるとするのなら,ベンチの厚みが増すだけでなく,谷内や奥村は危機感を抱くはずです。そのような存在になれば,チームが活性化するのではないでしょうか?



以上,東京ヤクルトスワローズ編でした。

次回は,今季の優勝チームである埼玉西武ライオンズを予定しています。


皆さんに,新たな発見が見つかりますように・・・ ・・・。
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